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DataRobot使ってAI予測モデル4000個完成。リクルート社内で進む人工知能ツールの民主化
全社員がAIツールを使いこなす時代になってきた AIgilaxia/iStock.
<グーグルを辞めてリクルートAI研究所の所長になったアーロン・ハーベイ氏は、リクルートが社員向けにAIツールを何も用意していないことに驚いたという。日本のテック企業はキャッチアップできるか>
「AI for everybody(AIの民主化)」。米Microsoftの最近のキャッチフレーズだ。だれもがパソコンを使えるようになったことで企業の生産性が格段に上がったように、これからのビジネスマンはだれもがAIを使いこなせるようにならなければならない。Microsoftを始め米国のテック企業は、そう考えて動き始めている。日本では、リクルートが一般社員向けにAI関連ツールを導入し始めており、半年間でAIの予測モデルが4000個以上も完成するなど、早くもその成果が表れ始めているという。
AI化の3つのレベル
企業のAI化には3つのレベルがあると言われる。レベル1は、AIの技術者を一人採用する、というレベル。レベル2は、AI專門の組織を設置する、というレベル。そしてレベル3は、従業員ならだれでもAIを自在に操作できるというレベルだ。現場のニーズを知り尽くした担当者がAIを自由に操作することができれば、その企業の生産性は一気に向上するはず。
Google、Facebookといった米国のトップレベルのテクノロジー企業は、既にレベル3に達していると言われている。これらの企業では、社内エンジニアの半数が、社内のAIインフラ、ツールの開発、メンテナンスに充てられているのだそうだ。
私は昨年秋にリクルートがシリコンバレーに設立したAI研究所を取材してきたが、Googleを辞めてリクルートAI研究所の所長になったAlon Halevy氏は、リクルートが社員向けにAIツールを何も用意していないことに当初は驚いたという。
【参考記事】元Googleの大物研究者がリクルートのAI研究トップに就任する意味
そこで同AI研究所では、データ前処理やデータ統合のツールの開発や導入を急いでいるという話だった。
脅威のツールDataRobot
リクルートはまた、予測モデルをほぼ全自動で開発できるDataRobotというツールをいち早く導入している。
予測モデルとは、過去のデータを統計処理することで傾向をつかみ、将来を予測する計算式のこと。
例えば天気のデータとアイスクリームの日々の売上のデータを統計処理すると、温度が何度上昇すればアイクリームの売上がどの程度増えるかを予測できるモデルを作ることができる。購入した本と購入者の属性データを組み合わせると、どのような人にどのような本を勧めれば売り上げにつながるのか、といったことも予測できる。
こうした予測モデルを作ることは、これまではデータサイエンティストと呼ばれる統計処理の専門家の仕事だった。ところが、DataRobotというツールは、データさえ用意すれば予測モデルをほぼ全自動で開発してくれる。脅威のツールだ。
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