コラム

中国をかばい続ける公明党の危険な片思い

2021年05月18日(火)16時45分

今、周の祖国は、対外的には「アジアの平和」と「世界の安全」に危害を及ぼし、対内的にはウイグル人に対するジェノサイドを進めている。いや、そもそも周は日本で崇拝されるほどの高潔な人格の持ち主ではなかった。

1966年から始まった文化大革命中に内モンゴル自治区でモンゴル人34万人が逮捕され、2万7900人が殺害され、12万人が負傷した。その大虐殺の最高責任者の1人が周だ。彼は決して人格者ではなかったと、彼を身近で観察していた共産党中央文献研究室の高文謙も著書『周恩来秘録』で証言を残している。

対内的にはジェノサイドを実施し、対外的には覇権主義的行動を続ける中国に対して、日本の国会は非難決議を準備している。しかし、公明党はかたくなに反対し続けている。

自身の理念と乖離した反人道的な「日中友好」論を優先している限り、公明党の変質は止められないだろう。

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プロフィール

楊海英

(Yang Hai-ying)静岡大学教授。モンゴル名オーノス・チョクト(日本名は大野旭)。南モンゴル(中国内モンゴル自治州)出身。編著に『フロンティアと国際社会の中国文化大革命』など <筆者の過去記事一覧はこちら

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