コロンビアではたくさんの人がペットを飼っています。

brandstratの調査によれば、10世帯中7世帯が何らかのペットを飼っているんだとか。その割合は犬が60.3％、猫が22.3%となっており、コロンビアでは猫派より犬派が圧倒的に多いようです。

今月５日、ローマ教皇が「子供を持たずにペットを飼うのは身勝手」という発言をしたことがコロンビアで話題になりました。

その発言に対して20代30代を中心に多くの人が反発。インスタグラムでは「Foto de tu hijo saludando al papa Francisco（あなたの息子がローマ教皇に挨拶している写真）」というステッカーが作成され、たくさんの人がそのステッカーと共に自分のペットの写真を投稿したのです。

ローマ教皇の件でSNS上ではペット自慢が繰り広げられている中、ある動画が犬好きの人々の目に止まりました。

ホームレス男性が道端で飼い犬の誕生日を祝う

Twitterで拡散され話題になったこの動画、ブカラマンガ市で撮影された動画には路上に座った１人のホームレス男性と２匹の犬が映っています。男性を挟むようにして大人しく座る２匹の犬は三角の帽子をかぶっており、動画の中でこの男性はケーキにロウソクを立てハッピーバースデーを歌っています。

途中男性が犬とケーキを食べながら涙を拭う場面もあり、この動画を見た人たちから「どうやったら彼を助けられる？」「涙が止まらない！」とコメントが殺到しました。

チョコ・ネナ・シャギー

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この男性の名前はホセ・ルイス・マトスさん。チョコというニックネームで呼ばれています。

彼はカリブ海に面した街バランキージャ出身。母親の再婚相手から虐待を受け子供の頃に家を飛び出しました。教育を受ける機会がなかったチョコは仕事にもつけず帰る家もなかったためホームレスとなってしまいます。そんな中、彼の孤独の心を癒したのは路上で出会った犬たちでした。

チョコの愛犬はシャギーとネナ。拡散された動画は、シャギーの４歳の誕生日を祝っていたときのもののようです。ケーキを食べながら涙を流した理由について、インスタグラムのライブ配信で「12月はみんな家族団欒で過ごしているじゃないですか。なんか悲しくなってしまって。」と話しました。

「ネナは僕の心臓の鼓動。シャギーは呼吸。彼は僕の命なんだ。犬たちは僕の人生そのものだよ。」

食事をするときは自分より犬を優先して食べさせるというチョコ。その動物を愛する姿に多くの人が心を打たれました。

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たくさんの支援が集まる

サブスクリプション型ソーシャルメディア「Only fans」のスターであるアイーダ・コルテスはこの動画に感銘を受けた一人。チョコを支援するチャレンジを行います。

内容は「業務用スーパーで３分以内にカートに入れたものを全てアイーダが支払う」というもの。

スタート早々、自分の食料は後回しにして「動物が大事だから！」とペットフードばかりカートに放り込むチョコを、アイーダが食料品売り場に誘導する場面もありました。

チョコへのサポートはこれだけに留まりません。彼のために集められた募金は10万円近くにのぼり、更にたくさんの人が新しい服や食料を持って彼を訪ねてきました。

La comunidad llegó a ayudar a Choco, el hombre que se hizo conocido en las redes tras viralizarse un video en el que celebraba su cumpleaños junto a sus dos perros

El joven en situación de calle reside en la ciudad de Bucaramanga, Colombia. #choco #colombia pic.twitter.com/pnCKw6AUnJ

-- AM Canal (@AM_Canal) January 10, 2022

集まった支援で携帯電話を手に入れたチョコはインスタグラムで愛犬との写真をアップ。フォロワー数はぐんぐん増え、ホームレスの男性は瞬く間に15,6万人にフォロワーを持つインフルエンサーとなったのでした。

集まったお金で野良犬や野良猫のためのNGOを作りたいと話すチョコ。多くの人のサポートを受け、チョコは２匹の愛犬と共に第二の人生を歩み始めたのです。