魅惑の摩天楼、香港フォト通信
香港の地位失墜、いつまでこんなことやってるんだよ香港
■3月は香港でコロナが爆発した月
前回2月に記事を書いた時は香港の一日の感染者は約6000人だったのに
あれからもう大変、3月には約6万人近くと10倍に膨れ上がってしまった。
そして香港の100万人当たりの死亡率は世界一となってしまった。
棺桶が足りないという状況にも陥った。
そして4月半ばを過ぎたあたりからようやく1000人を割った。
ピークは過ぎたように思われる。
4月1日からずっと禁止していたアメリカ、イギリス、カナダ、フランス、オーストラリアを含む9カ国の香港への乗り入れが再開となった。
しかしふたを開けてみれば、飛行機を利用するのは留学生と海外から香港に出稼ぎに来ているメイドさん達がほとんどである。
それは、相変わらず香港到着時に香港政府が指定した隔離ホテルに7日間の滞在が義務付けられているからだ。ビジネスマンはこれに躊躇して香港に入ってこない。
■国際ハブ空港としての香港の地位失墜
『香港はフライトの数を抑えたことと、世界一厳しい隔離措置で国際ハブ空港としての地位をなくしてしまった。かつての地位を取り戻すのはもう難しいだろう。どの国よりも回復が遅い。香港到着時の隔離を2週間から1週間に短縮しても、これでは観光客は入ってこない。
香港での鎖国政策に多くの航空会社が香港でのオペレーションに難色を示している。
機内で3人の陽性者が出た場合、即座に運航禁止に香港はしてしまう、こんな状況では香港に人は戻ってこない』
とIATA(国際運送協会)のトップであるウイリー・ウオルシュ局長は香港のコロナ政策について
かなり厳しいコメントをしている。
香港はすぐ飛行機止めちゃうんだよね、
4月13日もキャセイ航空のロンドン線が再び1週間香港への乗り入れ禁止。
そして全日空も1週間乗り入れ禁止の措置となった。
ちなみに今年2月のキャセイパシフィック航空を利用した乗客は
2019年2月比で1.1%の3万1253人。つまり98.9%減。
ヨーロッパやアメリカが以前の状態に戻ろう、コロナと共に生きようと舵を取っている中の衝撃的な数字である。
観光客をシャットアウトし、隔離政策を続行の鎖国状態をいつまでも続けていていいのだろうか?
IATAの局長さんの言う通り、取り残されていると思う。
■コロナの感染者が減ったという事は陽性になったら間違いなく収容所にぶち込まれる
コロナの感染者数が減ってもなんか喜べないと思う人が今の香港では多数いる。
前回書いたように香港には「収容所」と呼ばれるコロナ陽性者の強制隔離施設がたんまりとあるのですよ。以下の8カ所に中国の力を借りて建設した強制収容所がある。
- Penny's Bay
- Former runway area of Kai Tak
- Tam Mei, Yuen Long (private land lent by Sun Hung Kai Properties)
- Former site of The Boxes, San Tin (private land lent by Sun Hung Kai Properties and Henderson Land Development)
- Hung Shui Kiu, near Kai Pak Ling Road
- Tsing Yi Town Lot No. 200
- A site located in Fanling North New Development Area, next to Ma Sik Road, Fanling (private land lent by New World Development)
- A site on the south-eastern part of the Hong Kong Boundary Crossing Facilities Island of the Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge, north of Tuen Mun Chek Lap Kok Tunnel Road
1日数万人規模の感染者が出ていた先月は収容所も満杯で自宅待機の人もいたけれど、
こう感染者が減ってくると陽性になったら間違いなくぶち込まれる。だからあまり明るい気分になれない。
■政府から電子マネー5000ドル支給
4月7日には香港政府から電子マネーの給付があった。5000香港ドルである(日本円で7万5000円)。
日本のPASMOに相当するカードにお金を振り込んでくれる。さらにもう5000ドルが秋ごろに支給される予定である。
電子マネー給付の翌日、香港で一番の繁華街である尖沙咀(チムサーチョイ)をちょっと歩いてみた。
<記事冒頭写真>
夕方の6時前後なのにまるで深夜3時かと思わせるような静けさ、
観光客が来ないため閉店が目立つ。
そしてチムサーチョイの竹下通りと呼ばれる若者に人気のGranville Roadものぞいてみた。
(筆者撮影)
かつての明るさは消え同じく閉店に追い込まれた店舗が立ち並ぶ。
こんな殺伐とした香港は嫌だ。香港の産業の大きな柱である観光業を元に戻して、
観光客を呼び戻して、そして香港入境の際の隔離、陽性になった場合の隔離施設行きを撤廃して欲しいと思う。
現在、上海が感染爆発で強制隔離施設行き絶賛強行中だからなあ。
なにがなんでもゼロコロナを強行する中国の意向もあるから、
香港がWithコロナとなるのはまだ先なのかもしれない。
著者プロフィール
- マリエ
香港在住の雑貨が大好きなフォトグラファー。大学卒業後、自動車会社、政府機関、外資企業にて広報担当。夫の転勤で香港に移住後、カメラに興味を持ち、日本人、外国人フォトグラファーに師事。現在、雑貨を可愛く撮るカメラ教室「Zakka Styling」を主宰。同時に家族写真、ロケーションフォトの依頼もこなす日々。インスタグラムはこちら。