「待遇で勝負にならず」ロシア国内で深刻化する人手不足...軍や防衛産業が働き手吸収
2024年11月29日(金)14時25分
建設や農業も
厳しい人手不足に見舞われているのは製造業、物流、ITだが、最も深刻なのは建設セクターで、取引価格高騰や物件完成時期の延期、仕事の質低下などにつながっているとされる。
ウラル連邦管区の建設会社ゴロス・グループの場合、新規プロジェクトを引き受けるかどうかを決断する瀬戸際に追い込まれている。幹部の1人は「資金がないからではない。建設現場に十分な人員を派遣できるだろうか」と悩んでいる。
農業セクターも、昨年は全農業従事者の3.3%に当たるおよそ20万人がいなくなった、ルト農業相は見積もった。
農業生産者団体は、こうした人手不足によって種まきから収穫まであらゆる作業が打撃を受け、農産物の質と労働安全性に悪影響を及ぼしていると訴えた。
マトビエンコ上院議長は今週、警察を傘下に置く内務省も人手不足を痛感していると証言した。内務省によると、11月初めまでの2年間で穴埋めできないポストの数が倍増し、職員の18.8%相当、17万3800人に達したという。