「待遇で勝負にならず」ロシア国内で深刻化する人手不足...軍や防衛産業が働き手吸収
2024年11月29日(金)14時25分
多くの防衛企業の工場が拠点を置くスベルドロフスク州の場合、10月初め時点の求人件数は5万4912件に上ったのに、失業者は8762人だった。
また首都モスクワを含む中央連邦管区(人口約4000万人)では、失業者1人当たりの求人が9件もある、と同区大統領全権代表のイーゴリ・シチョーゴレフ氏が語った。
人材あっせん会社スーパージョブによると、ロシアでは過去2年で求人が1.7倍に膨らみ、工業セクターは2.5倍に達した。ロシア中央銀行は、国内企業の73%が人手不足を訴えていると報告している。
ロシア高等経済学院(HSE)の研究者は「人員飢饉」が社会全般に広がる現象となり、特に経済システムの全ての部分を覆っているとの見方を示した。
ロイターが取材した企業、労働者、人材あっせん会社、建設や農業、ITなどさまざまなセクターのエコノミストらに取材したところ、一様に労働者が足りず、この先人員確保でより悲観的な見通しを持っていることが分かった。