最新記事
考古学

AI技術が加速させた「ナスカ地上絵」の調査...303点の新発見

Hundreds of Mysterious Ancient Nazca Land Artworks Found with Aid of AI

2024年9月25日(水)12時10分
アリストス・ジョージャウ

研究チームが地上絵の形と場所を分析した結果、その目的や機能について新たな説が浮上した。

今回見つかったのは、主に人間や人間によって飼育された家畜、斬首された首などを描いた面タイプの地上絵だった。こうした地上絵は大抵が、ナスカを横断する古代の小道から見える範囲に位置していて、個人や少人数のグループが制作・観察していた可能性が大きいと研究チームは推察する。

一方、巨大な線タイプの地上絵は主に野生動物が描かれており、直線や台形の地上絵で構成される儀式用ネットワークから平均34メートルの場所に分布していることから、恐らく共同体レベルで儀式的な活動のために制作・使用されたと考えられる。

「面タイプの具象的な地上絵が大量に発見されたことで、これらは線タイプの地上絵とは、様式・規模・分布において差異があることが分かった。線タイプと面タイプでは、モチーフにも差異がある。前者は、直線と台形のネットワークに沿って分布しているが、後者は曲がりくねった小道沿いに分布している」。研究チームはそう解説している。

「総合的に考えると、面タイプと線タイプの具象的な地上絵では性質や目的が異なることが論証できる。前者は個人や少人数グループの人間活動に関する情報を共有している。一方、後者は共同体の儀礼のために制作・使用された」

(翻訳:鈴木聖子)

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

新発10年国債利回りが1.705%に上昇 17年半

ビジネス

日本郵政、通期純利益予想3200億円に下方修正 物

ビジネス

ニデック、半期報告書のレビューは「結論不表明」

ビジネス

みずほFGが通期上方修正、純利益27%増の1兆13
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 5
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 6
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 7
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 10
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中