最新記事
中東

これぞ究極の「計画都市」...エジプトが進める「新・首都」のド派手で異様な光景

2024年7月18日(木)17時37分
ヘスス・メサ
エジプトに誕生する新行政首都(NAC)

建設が進むエジプト新行政首都のビジネス区画 Matrix Images / Khaled Elfiqi via Reuters

<エジプトのシシ大統領が主導する新行政首都(NAC)の開発だが、莫大な資金と大掛かりな工事に見合うだけの価値があるのか疑問の声も上がる>

「まだまだ日本人が知らない 世界のニュース50」エジプトの首都カイロから東へ約45キロの広大な砂漠に、新たな都市が出現しつつある。

■【動画】砂漠の中に現れた「シムシティ」の世界...エジプト「新・首都」NAC、異様なほど壮大でド派手な光景

新行政首都(NAC)と呼ばれるこの都市は、アブデル・ファタハ・アル・シシ大統領が開発を主導。目玉はアフリカで最も高い70階建てビル、中東最大のコプト教会の聖堂、エジプト最大のモスク(イスラム礼拝所)などだ。

広さがニューヨークのセントラルパークの2倍あるグリーンリバーパークや国防省の新本部も計画され、NAC国際空港はカイロ国際空港の混雑を緩和させて新たな地域ハブとして機能する予定だ。


首都機能の一部は既にNACへ移り、政府職員4万8000人の大半がカイロから通勤。最終的にカイロの政府機関とビジネス街をここに集め、公共事業や交通量をAI(人工知能)搭載システムで最適化する計画だ。人口は500万人になると予測され、現在2200万人が暮らすカイロ首都圏の混雑と環境汚染を軽減するだろう。

開発費用は推定で最大600億ドル。大半をエジプト軍が負担するものの、これだけの資金を使うことには疑問の声もある。いまエジプトは過去数十年間で最悪の財政危機にあり、経済の大部分は国際融資に支えられている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシアがICBM発射、ウクライナ空軍が発表 初の実

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部の民家空爆 犠牲者多数

ビジネス

米国は以前よりインフレに脆弱=リッチモンド連銀総裁

ビジネス

大手IT企業のデジタル決済サービス監督へ、米当局が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「ワークライフバランス不要論」で炎上...若手起業家、9時〜23時勤務を当然と語り批判殺到
  • 4
    習近平を側近がカメラから守った瞬間──英スターマー…
  • 5
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    クリミアでロシア黒海艦隊の司令官が「爆殺」、運転…
  • 8
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 9
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 10
    70代は「老いと闘う時期」、80代は「老いを受け入れ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中