最新記事
クリミア奪還

ウクライナ人ジャーナリスト、クリミアにあるロシア軍事施設の詳細をマップで暴露

Crimea's Russian military facilities exposed by Ukraine with detailed map

2023年5月11日(木)17時09分
イザベル・ファン・ブリューゲン

クリミアはロシアに軍事要塞化されている(海岸に並んだ砲台、3月31日) Maxar Technologies/REUTERS

<ウクライナの反転攻勢を前に、ジャーナリストらがクリミア半島にある223の軍事施設の位置や画像がわかるインタラクティブマップを作成、公開した>

【動画】ロシア戦勝パレードで「一人きり」だった戦車にウクライナがエール?

ウクライナのジャーナリストらが、2014年にロシアに一方的に併合されたクリミア半島にある200超の露軍事施設についての詳細なインタラクティブマップを公開した。

米政府出資ラジオ局「自由欧州放送」のウクライナ子会社「Krym.realii」のジャーナリストらが作成したこの地図には、クリミア半島にある223の軍事施設の位置――訓練場や燃料補給所、弾薬庫、レーダー基地、防空システムや本部の位置など――が示されている。ロシア黒海艦隊に所属する部隊、飛行場や基地に関する情報も表示できる。

地図の公開に先立ち、ウクライナ国防省情報総局のアンドレイ・ユソフ報道官はクリミアの住民に対して、軍事施設には近寄らないよう促していた。近いうちにウクライナ軍が反転攻勢を始めたとき、軍事施設は攻撃目標になるためだ。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は2022年の夏、ロシアに併合されたクリミアを奪還すると宣言した。

大規模な爆発が続く

クリミア半島では、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ侵攻を開始した数週間後の2022年4月11日以降、テロ警戒レベルが最高から一歩手前の「黄色」に引き上げられており、最近では以前より頻繁に爆破事件が起きるようになっている。

2022年10月には、クリミアとロシア南部を結ぶクリミア大橋で爆発が発生。さらに4月下旬には、クリミア南部にある軍港セバストポリの燃料貯蔵施設が無人機攻撃を受け、大規模な火災が発生した。ウクライナ側はこれらの爆発について、一切の関与を否定している。

ユソフはセバストポリでの火災直後の4月29日に声明を発表。「占領下にあるクリミアの全ての住民は、ロシア側の軍事施設や、関連施設には近づかない方が賢明だ」と述べた。

地図を作成したイゴール・トカルは、自由欧州放送のリスナーたちに「ロシアがいかに広範にクリミアを軍事化しているか」について警告した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏銀行、資金調達の市場依存が危機時にリスク=

ビジネス

ビットコイン一時9万ドル割れ、リスク志向後退 機関

ビジネス

欧州の銀行、前例のないリスクに備えを ECB警告

ビジネス

ブラジル、仮想通貨の国際決済に課税検討=関係筋
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 3
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 10
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中