最新記事

中国

中国「世界最大の移動」春節の感染拡大 100万人以上死亡の懸念

2023年1月17日(火)17時15分
青葉やまと

「世界最大の移動」が起きる春節 100万人以上死亡の懸念

中国では1月23日から、春節(旧正月)の大型連休を迎える。連休中の大移動で感染が広がれば、状況はさらに悪化するおそれがある。最悪のケースでは、100万人以上が死亡するとのシナリオが報じられている。

春節の期間には、世界最大規模の移動が起こるとされている。BBCは中国当局による予測をもとに、延べ20億人以上が旅行を行う見込みだと報じている。また、ナショナル・ジオグラフィック誌のイギリス版は、春節は「世界最大の民族大移動」を引き起こしていると指摘している。

都市部では感染が落ち着きを見せ始めた自治体がある一方、高齢者の多い農村部では、旧正月の大移動でウイルスが持ち込まれる懸念がある。中国ではワクチンに関するスキャンダルが相次いだことから不信感が根強く、高齢者のブースター接種率は6〜7割程度と伸び悩んでいる。また、国産の不活化ワクチンにこれまでこだわってきたことから、有効率は欧米のワクチンに劣ると指摘されてきた。

ガーディアン紙によると中国当局は、地方にいる高齢者の家族がまだ感染していない場合、帰省を控えるよう呼びかけている。国務院流行予防班のグオ・ジャンウェン博士は「愛情を示す方にはさまざまなものがあります。必ずしも彼らの家にウイルスを持ち込む必要はありません」と呼びかけ、帰省の取りやめを求めている。

英エコノミスト紙は、データの透明性がない中国では死者数の予測が難しいとしながらも、最悪のシナリオでは150万人が死亡すると述べている。死者の90%は60歳以上の高齢者が占めるという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、高市首相の台湾発言撤回要求 国連総長に書簡

ワールド

MAGA派グリーン議員、来年1月の辞職表明 トラン

ワールド

アングル:動き出したECB次期執行部人事、多様性欠

ビジネス

米国株式市場=ダウ493ドル高、12月利下げ観測で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワイトカラー」は大量に人余り...変わる日本の職業選択
  • 4
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 5
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 9
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中