最新記事

ウクライナ戦況

奪還したヘルソンの一部にウクライナ国旗が翻る

Ukraine Recaptures Kherson Village From Russia, Raises Flag Over Hospital

2022年9月5日(月)17時27分
ファトマ・ハレド

占領したヘルソンの街の中心部に陣取るロシア軍の武装トラック(7月25日) Alexander Ermochenko-REUTERS

<ロシア軍の支配下にあったウクライナ南部ヘルソン州でウクライナ軍が一部の村の奪還に成功。ロシア軍の弱点をつく効果的な攻撃を行っている>

ウクライナ軍は4日、南部ヘルソン州のヴィソコピリア村の病院にウクライナ国旗を掲げた。昨年3月3日、ロシアのウクライナ侵攻開始から1週間後にロシア軍に制圧されたこの地域の奪還に成功したからだ。

ヘルソン州議会のユーリー・ソボレフスキー第一副議長はテレグラムで、ヴィソコピリアがロシアの支配から解放されたと発表した。ケルソン州の北、ドニプロペトロフスク州との行政上の境界に位置するこの村は、ドニエプル川の黒海への出口にあたり、戦略的に非常に重要な場所だ。

キーウ・インデペンデント紙はツイッターで、ウクライナ軍の部隊がヴィソコピリアで国旗を掲揚したことを伝えた。

イギリスの王立統合軍事研究所のサミュエル・ラマニ准研究員もツイッターで、村の病院の屋上に国旗が掲げられたと述べた。「ウクライナ最新情報」など他のツイッターアカウントも、同じ内容の発表をした。

と、ラマニはツイートした。「ロシアは占領後のへルソンで旧ソ連時代の勝利の旗を掲げ、ウクライナのナショナリズムを示すものを取り締まったと伝えられている」

2月24日の侵攻開始以来、ロシア軍は数十の町や村を占拠した。多くの住民は自宅を出て、逃げざるをえなかった。ロシア軍支配地域から脱出した人々の中には、徒歩や自転車、車椅子で、必死に逃げてきた人々もいた、と米公共放送ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)は7月に報じている。

ロシア軍の弱点を叩く

ソボレフスキーは、ウクライナ軍は5日に反撃を開始し、ヘルソン地域でいくつかの目標を達成することに成功したと語った。

ロイター通信によると、ソボレフスキーはへルソン、ベリスラブ、カホフカ地区でのウクライナ軍の反撃に触れつつも、「今は特定の勝利について話す時ではない」と述べ、「今こそ我が軍を支援する時だ」と言った。

ウクライナ軍は、南部での攻防について情報は明かさないとしている。だが大統領府は同地域で「大きな爆発」と「厳しい戦闘」があったことを発表し、ウクライナ軍は弾薬庫と、ロシア軍に物資を送るために必要なドニエプル川にかかる大きな橋を破壊したと付け加えた。

イギリス国防省は3日、ウクライナ軍は最近、ロシアの指導力や管理力の低さ、後方支援の薄さを利用して、ロシア軍に対する勝利を前進させたと発表した。さらに、ウクライナ空軍はムィコラーイウ地方で「カルトグラフ」と名付けられたロシアの偵察用ドローンを撃墜した。

ニューズウィーク日本版 AI兵士の新しい戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月13号(1月6日発売)は「AI兵士の新しい戦争」特集。ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米政権、ミネソタ州に捜査官「数百人」追加派遣 女性

ビジネス

米商務省、中国製ドローン規制案を撤回 トランプ氏訪

ビジネス

米政権が刑事訴追警告とパウエル氏、利下げ圧力強化の

ワールド

イラン抗議デモで死者500人超、トランプ氏「強力な
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 4
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 10
    決死の嘘が救ったクリムトの肖像画 ──ナチスの迫害を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 10
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中