最新記事

自然災害

消えた陸地、火山灰に覆われた滑走路... 衛星写真で見るトンガの噴火被害

2022年1月19日(水)07時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
トンガ沖噴火

米海洋大気局(NOAA)の衛星GOESが宇宙からとらえた噴煙(1月15日) CIRA/NOAA/Handout via REUTERS

<火山島の285ヘクタールの陸地が噴火によってほぼ消失>

南太平洋のトンガ沖で15日に発生した海底火山の大規模な噴火の影響により、太平洋を隔てた日本やアメリカでも潮位上昇や津波を観測。噴火の様子は宇宙からも確認された。現地では通信が復旧しておらず、負傷者や死者についての正確な情報は入ってきていない。

被害の全容は不明だが、火山灰や津波被害の大きさを伝える断片的な映像や空撮写真が連日報じられている。

とりわけ噴火の威力を物語っているのが、国連衛星センター(UNOSAT)が17日に公開した計22枚の衛星写真だ。首都ヌクアロファのあるトンガタプ島の沿岸部や空港、火山など11の地点を噴火前後の写真を使って比較している。

tonga_airport.jpg

国連衛星センター(UNOSAT)より 右は© CNES (2021), distribution Airbus D&S

首都から約20キロの地点に位置するファアモツ国際空港は、火山灰によって滑走路が覆われているのが分かる。写真左は、2020年11月に撮影された同じ滑走路だ。

tonga_tsunami.jpg

国連衛星センター(UNOSAT)より 右は© CNES (2021), distribution Airbus D&S

トンガタプ島の海岸線を捉えた写真からは、津波によって壊滅した建物や浸水の痕跡が見られる。左は、20年2月に撮影された同地点。

tonga_volcano.jpg

国連衛星センター(UNOSAT)より 右は© CNES (2021), distribution Airbus D&S

噴火したフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山の285ヘクタールの陸地部分がすっかり消え、海面だけが写っている。昨年12月に同地点で撮影された写真(左)と比較すると、同じ場所を撮影しているとは到底思えない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米印首脳が電話会談、関税導入後3回目 二国間関係な

ワールド

トルコ中銀が150bp利下げ、政策金利38% イン

ワールド

ウクライナ、米国に和平案の改訂版提示 領土問題の協

ビジネス

米新規失業保険申請、約4年半ぶり大幅増 季調要因の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 2
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 3
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 6
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 7
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 8
    ピットブルが乳児を襲う現場を警官が目撃...犠牲にな…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中