最新記事

トルコ

男性だけのお客様、予約しても泊まれません...トルコ・ホテル業界の慣習が物議

2021年9月28日(火)17時13分
青葉やまと

トルコのホテルで男性ゲストへの予約拒否が発覚し問題に (写真はイメージ)Kemal Yildirim-iStock

<男性1人または男性同士の旅行客は、トルコの一部ホテルから門前払いを受けるかもしれない>

シルクロードの要衝として栄え、歴史的に洋の東西から文化を吸収してきたトルコ。オリエンタルな情緒漂う地として、海外から訪れる旅行客たちを魅了してきた。

美しいモスクが並ぶイスタンブールや奇岩で有名なカッパドキアなどの景勝地のほか、ケバブやトルココーヒーなど名物が五感を刺激する。遺跡見学や熱気球での空中散歩などスケールの大きなアクティビティも人気となっており、パンデミック収束後の旅行先としての期待も高い。

非日常を満喫できるはずのそんなトルコで、現地独自の隠れた取り決めが問題となっている。多くのリゾートホテルが女性の同伴のない男性客の宿泊を断っており、単身の男性および男性同士の旅行者が門前払いを食らうケースが多発している。宿泊場所がなくなっては観光どころではなく、現地を訪れた海外客に困惑が広がる。

男性ゲストへの予約拒否が発覚

本件は旅行情報サイト『ワン・マイル・アット・ア・タイム』(以下「OMAT」)が報じた。これを豪大手ニュースサイト『news.com.au』やニュージーランドおよびイギリスの大手紙などが取り上げたことで、国際的な注目を集めている。

問題の発端となったのは、トルコ南西部の高級リゾートホテルだ。エーゲ海に面したボドルムに位置する「ルージョ・ホテル・ボドルム」は、9つのレストランやスパなどを備え、各種予約サイトでは家族連れやカップルなどのゲストから非常に高い評価を得ている。

現在、ロシアなど一部の国は、トルコ向けの海外ツアーを再開している。そこで、ある旅行者が男性2名のために計1室を予約しようとしたところ、予約手続き中にシステムから拒否される事態となった。画面には「単独の男性のお客様向けにお部屋を予約することはできません」と表示されたという。メッセージは続けて「もし予約された場合、ホテルは無条件でキャンセルする権利を有します」とも主張しており、厳格な姿勢をうかがわせる。

ホテルの予約サイト上のメッセージを引用すると、「Reserving a room for an individual male guest is not possible」と述べている。男性同士の同室にはとくに触れず、男性1名向けの予約はできないと述べる内容だ。男性の同室のケースについて改めてOMAT誌が問い合わせたところ、ホテル側は「あいにく男性2名の同室はお断りしております」と回答した。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン再攻撃計画か、トランプ氏に説明へ

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 6
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 7
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 8
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 9
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中