最新記事

ブースター接種

3回接種が進んだイスラエルで感染爆発、4回目を準備

Israel, World Leader in Booster Shots, Hit by Surge in COVID Cases

2021年9月16日(木)16時19分
サマンサ・ロック

ザルカによれば、4回目の接種では、感染力が強いデルタ株など新たな変異株に対応した改変型のワクチンを使う予定だ。今後も新たな変異株が次々に出現し、感染拡大の「波が繰り返される」と見られるため、定期的なブースター接種が「ニューノーマルになる」と、ザルカは予告する。イスラエル保健省は、今の第4波を乗り越えても、第5波は必ず起きるとの前提で準備を進めているという。

イスラエルは昨年12月に他国に先駆けてワクチン接種を開始し、今年3月初めには国民の半数以上が2回目の接種を済ませていた。

その後保健当局は、新たなデータで時間の経過と共にワクチンの効果が低下することがわかったと発表。7月末には高齢者を対象にいち早くブースター接種を開始した。

当初は、重症化のリスクが高い60歳以上を対象に、ファイザー製ワクチンの3回目接種を行なっていたが、8月には対象年齢が40歳以上に拡大された。

米政府も追加接種を目指すが

イスラエルのナフタリ・ベネット首相は先月フェイスブックの公式アカウントで、わが国は世界に先駆けてブースター接種を実施することで、グローバルなコロナとの戦いに、データ提供という「偉大な貢献」をしていると述べた。

「イスラエルはグローバルな知識に偉大な貢献をもたらそうとしている。われわれなしでは、世界はブースター接種の正確な有効性も、打つべきタイミングも、感染状況への影響も、重症化への影響も分からないだろう」

イスラエルでは早期にワクチン接種を受けた人たちの抗体レベルの低下を示すデータがあると、公衆衛生当局の責任者シャロン・アルロイプライスは述べているが、追加接種が進む今も、全土で感染者が増え続けている状況を見ると、ワクチンだけでは感染拡大は止められそうもない。

アメリカでも近々、ブースター接種が始まる。米食品医薬品局(FDA)は9月12日、臓器移植を受けた人など免疫力が低い人に限り、ファイザー製とモデルナ製ワクチンの3回目の接種を認める方針を発表した。

バイデン政権は9月末から医療従事者や高齢者を対象にブースター接種を進めたい考えだが、FDAも米疾病対策センター(CDC)も今のところ一般の人たちは2回の接種で十分に守られているとして、追加の接種は必要ないとの見解を変えていない。

ニューズウィーク日本版 トランプのイラン攻撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月10号(3月3日発売)は「トランプのイラン攻撃」特集。核・ミサイル開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。アメリカとイランの全面戦争は始まるのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中東紛争4日目、攻撃広がり犠牲増加 想定以上に作戦

ビジネス

ニデック第三者委「永守氏が一部不正容認」、業績圧力

ビジネス

ユーロ圏消費者物価、2月1.9%に加速 懸念される

ビジネス

中東紛争でインフレ加速も、世界経済への打撃は軽微=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医師が語る心優先の健康法
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 9
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 10
    ドバイの空港・ホテルに被害 イランが湾岸諸国に報…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 8
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 9
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 10
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中