最新記事

事件

移動を邪魔して怒りを買った男性が、野生ゾウに踏まれる決定的瞬間

2021年8月5日(木)17時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
ゾウ

自然の生息地が失われたゾウが人間の居住エリアでも見られるように(写真はイメージです) winarm-iStock

<ネット上では、ゾウを刺激した群衆に非があるとの意見が多数派>

先月25日、インド北東部のアッサム州で男性がゾウに踏まれて死亡するという事件が発生した。

この事件の決定的瞬間を捉えた動画がソーシャルメディア上で広く拡散された。多くのコメントが、ゾウの群れを刺激した群衆に非があると指摘している。

地元紙アッサム・トリビューンによると、この事件はモロンギ茶園で起こった。インド森林局の職員であるパルビーン・カスワンは、「1人の人間が命を落とした。誰を責めたらいいのだろう」というコメントとともに映像をツイートした。

動画には、森林保護区の外にある公道を横断するゾウの群れと、その光景に目が釘付けとなった人々が映っている。車のクラクションが鳴り響き、群衆の一部はゾウに向かって叫んでいる。黄色い旗を振る男性の姿も。

やがて1頭のゾウが群れから離脱して向きを変えると、群衆の方へと走り出した。逃れようとした男性の1人が転倒すると、数回踏みつけ、そのゾウは群れの方へと戻っていった。

被害者は45歳の男性で近くの病院へと運ばれたが、その日の夜に死亡した。

投稿された動画は、(5日17時の時点で)約23万回再生され、多くの反響を呼んでいる。多くのユーザーは、責任はもっぱら群衆にあり、彼らがゾウを刺激したとしている。

アヴィナシュ・サハイは、「痛ましい......。彼らは冷静に頭を下げ、この壮大な生き物に敬意を払って、ジャングルへと通してあげるべきだった」とコメントを寄せた。

インド環境・森林・気候変動省のデータによると、2014年から19年の間に国内では2300人以上がゾウによって殺されているという。また同省のデータでは、毎年500人以上の人と100頭のゾウが両者の衝突によって死亡している。

複数の報告書によれば、自然の生息地が失われたことでゾウが人の多い地域に移動するようになり、その結果として致命的な衝突が発生するようになったという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ガザで40カ所空爆 少なくとも30人死

ワールド

米がウクライナ和平仲介断念も 国務長官指摘 数日で

ワールド

米側の要請あれば、加藤財務相が為替協議するだろう=

ワールド

次回関税協議で具体的前進得られるよう調整加速を指示
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 3
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 4
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 5
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 6
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 7
    ノーベル賞作家のハン・ガン氏が3回読んだ美学者の…
  • 8
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 9
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 10
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 7
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中