最新記事

中東

日本企業が所有のタンカー、攻撃受け乗員2人死亡、米英「イランが関与」と表明

2021年8月2日(月)11時40分
米海軍のヘリコプター

米国と英国は8月1日、中東オマーン沖で7月29日に起きた石油タンカーへの攻撃について、イランが行ったとの見解を示し、同盟国と連携して対応する考えを表明した。写真はタンカーから救援要請を受けた爆発物処理部隊。7月30日、米原子力空母ロナルド・レーガンの甲板で撮影。米海軍による提供写真(2021年 ロイター)

米国と英国は1日、中東オマーン沖で7月29日に起きた石油タンカーへの攻撃について、イランが行ったとの見解を示し、同盟国と連携して対応する考えを表明した。

同タンカーは日本企業が所有し、イスラエル系運航企業ゾディアック・マリタイムが管理する「マーサー・ストリート」で、攻撃により英国人とルーマニア人の乗組員2人が死亡していた。

攻撃を巡りイスラエルもイランを非難しており、イランは1日、関与を否定した。

ブリンケン米国務長官は、声明で「入手可能な情報を精査した結果、攻撃はイランが無人機を使用して行ったと確信している」と述べ、攻撃に「正当な理由はない」とした。

同盟国と対応を検討しているとし、近く適切な対応を取る方針を示した。

ラーブ英外相は、イランが1機または複数の無人機を使って攻撃した可能性が高いと結論付けたとし「攻撃は意図的で、明らかな国際法違反」と指摘。同盟国とともに「協調した対応」に取り組んでいると述べた。

これに先立ち、イスラエルのベネット首相も、イランが攻撃したと断言し、自身の主張を裏付ける情報があると明言。イスラエル外相も、厳しい対応が必要との認識を示していた。

タンカーに何が起きたかを巡ってはさまざまな見方が出ていた。ゾディアック・マリタイムは、攻撃が「海賊行為の疑い」があるとしていたほか、オマーンの海上保安当局筋は、オマーンの領海外で発生した事故との見解を示していた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日銀には、政府と密接に連携し賃金上昇伴う2%目標の

ワールド

IMF、中国に構造改革の加速要請 成長予測引き上げ

ワールド

仏中銀、成長率予想を小幅上方修正へ 政情不安でも経

ワールド

中国海警局、尖閣周辺で哨戒と発表 海保は領海からの
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 4
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 5
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 6
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的、と元イタリア…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中