現役医師が断言、日本の「ゆるいコロナ対策」が多くの命を救った
実際、ロックダウンなどの行動制限を強力に科しているフランスではうつ病が2倍に増えています(注18)。人間は、外に出て光を浴びて自然の中でリフレッシュしたり人々と会話をしたりして心身の健康を保っています。
強力な感染拡大予防対策やプライバシーの無い検査強要は、人間の尊厳や生き生きした生活を奪います。法律のもとに東京駅前や銀座で突然検閲が始まり肛門PCRのためにおしり出せと強要されて、何らかのウイルス陽性で隔離。それが平気でいられますか?
「罪なき疾患」で罰するべきではない
日本人は、よく同調圧力が高いと自嘲ぎみに話します。私は、決してそんなふうに思いません。「出る杭は打たれる」文化などと語られますが、海外における優れた人への妬みや中傷は日本の比ではありません。
日本の外出制限は、「自粛の要請」にとどまり、ユルユルで罰則もありません。しかし日本人の多くが早く自宅に帰ります。そういう国民に対し、コロナ関連法案で刑事罰まで検討された際にはハラハラしました。幸い刑事罰はなく行政罰のみになりましたが(注19)私はそれも必要ないと思っています。
無症状で広がる罪のない感冒疾患に国家が介入し個人を罰すること自体が問題です。弱い感染症や他の理由で、国民が恣意的に隔離されていく危険をはらんでいます。
もし次の感染症が流行したら、無症状で平和に暮らしている国民の生活に国家の取り締まりが乗り込んできて暮らしが破壊されていくことでしょう。今回はPCR検査でしたが、うかがいしれない他の検査にとってかわるかもしれません。
日本は正解を選んだ
今回、新型コロナで学んだことは多岐にわたります。
そのひとつは、国民の自主性に任せて緩い管理をした政府・自治体と、それに応じて国民が自主的に頑張ったことです。ワクチンがやって来れば鬼に金棒です。
法律を作って個人を取り締まることは解決にならないことも学びました。人々は、鎖国もロックダウンも解決にならないことを学びました。
日本にとっては、実践してきたユルユル型対応が実は正解だったのです。必要以上の経済被害や国民の暴動を抑えながらも、集団免疫を獲得していく理にかなったものだったのです。
無症状のまま広がって行くこのウイルス(注19)に対し緩い対策をとっても、日本では被害が少なく過ぎ去りました。今後、ウイルスが存在しても発症者が少ないなら迷惑な隣人ではありません。
ヒステリックに「角を矯めて牛を殺す」ことにならなくて本当に良かったです。日本の対応は評価されて良いものだと思っています。専門家は、国民の自由な生活や移動の制限、生活の否定が主な仕事になってしまっています。人生で1度しかない修学旅行は中止しないでもらいたいと願っています。
奥ゆかしさと謙虚さといった日本人の気質、日本のコロナ対策の長所についてはなかなか語られることはありません。私は臨床の現場にずっと身を置いて、日本の伝統や民度、医療制度の普及と継続の大切さを明言すべきだと実感しています。
不十分な情報で比較的正確に未来を予測できた「日本のコロナウイルスは終わった。さあ旅にでよう」を今でもお伝えしたい気持ちです。
私たちは、一周してさらに学びましました。
日本はこのまま順調に再興し、コロナ以前よりも繁栄することが約束されています。元気よく暮らしていきましょう。