最新記事

新型コロナウイルス

NY在住の大江千里、モデルナ製ワクチン接種後に副反応? 体調が急変し失神した

2021年2月18日(木)11時55分
大江千里(ニューヨーク在住ジャズピアニスト)

oevaccinecard.jpg

モデルナ社のワクチンを1月10日と2月10日に接種したことを記録したカード SENRI OE

さて副反応もなく1カ月が経過し、2回目のコロナワクチンは、1回目と同じ場所にて同じ要領で。しかし、会場はガラガラだった。予約を取ったのにキャンセルする人も多く、用意されたワクチンがその日に破棄される場合もある。

並び始めてからショットを打つバスケットコートまでわずか10分。ワクチンを打つ担当のアイラスは「どんな気分? この1カ月どうだった?」など僕との会話を急くことなく進める。ワクチン接種の前にはリラックスすることが最も必要なのだ。

「今度のワクチンは打った腕が腫れたり痛くなったりすることも多く、体全体が痛んだり熱を出したりする症例も報告されているの」。

じゃあ、打った後にワインは?「それはOK。飲んでリラックスでしょ?ただ、3日間は家にいてゆっくりしてね」。そんなに?「そう、何が急変するかわからないの」。了解。

目の前に僕用のモデルナワクチンの瓶がある。「緊張してる?」。はい。「私もよ。でもお互い気楽にしたほうがいい」。30番くらいまである接種テーブルで僕は23番。10カ所以上のテーブルで看護師たちが手持ち無沙汰にしている。1回目を初日に打ちに来た時のにぎわいが嘘のようだ。

「じゃ、行くわよ」。一瞬だ。1回目と違うのは、その痛みは尾を引いた。流線型のドーンと奥へ向かう鈍い痛みがあった。終わったあと、拳骨ハグしてスタッフ数人から「15分よ。絶対に動いちゃダメよ」なんて言われ、わかってる!と交わし合い講堂へ。

「あなたは1回目? 2回目?」「2回目です」。「じゃああっちへ。」1回目の人は、時間がないと接種後の15分を待たずにそのまま帰っちゃう人もいる。しかし2回目の場合はスタッフがしっかり監視していて15分は絶対にその場から動かないように見張られる。僕はリラックスして15分その場にいた。

全てが終わりスタッフたちに「ありがとう」を言うと、彼らも口々に「ありがとう」と言う。そんなふうに感謝とリスペクトを交わし合い外へ出る。この日の光はとにかく眩しかった。

だがその日の夜、体調が急変した。2月10日夜、自宅でピアノを弾いているとワクチンを打った左手が激痛で上がらなくなり、そのうちに打っていない方の右手も上がらなくなった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

マスク氏、歳出法案を再度非難 支持する議員は議席失

ビジネス

インタビュー:戦略投資、次期中計で倍増6000億円

ワールド

トランプ氏、イスラエル首相と来週会談 ホワイトハウ

ビジネス

ロビンフッド、EU利用者が米国株を取引できるトーク
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 5
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引き…
  • 6
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 10
    飛行機のトイレに入った女性に、乗客みんなが「一斉…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中