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ワクチン320万人がワクチン接種したイスラエル、「ファイザーのワクチンの有効性は94%」が証明された
約35%に相当する326万人超が2回の接種を終えているイスラエル REUTERS/Amir Cohen
<国民へのワクチン接種を世界最速のペースですすめているのがイスラエルで、ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの有効性を確認する研究が行われた......>
米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチン「BNT162b2」は、2020年12月8日に英国で初めて接種が開始されて以降、世界各国で接種がすすめられ、日本でも2021年2月14日、特例承認された。
1回目の接種から発症率が57%低下、重症化率62%低下
なかでも、国民へのワクチン接種を世界最速のペースですすめているのがイスラエルだ。2月26日時点で、人口の約50%にあたる464万人超が少なくとも1回接種し、約35%に相当する326万人超が2回の接種を終えている。
イスラエル・クラリット研究所、米ハーバード大学らの共同研究チームは、2月24日、「BNT162b2」の有効性について「2回目のワクチン接種から7日以上経過した人は、未接種者に比べて新型コロナウイルス感染症の発症率が94%低く、重症率も92%低い」との研究結果を医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」で発表した。
この研究結果では、1回目の接種から14日〜20日後に新型コロナウイルスの発症率が57%低下し、重症化率が62%低下したことも示されている。
「新型コロナを予防する有効率は95%であった」
研究チームは、人口の53%が加入するイスラエル最大の医療組織「クラリットヘルスサービス」のデータを用いて、2020年12月20日から2021年2月1日までにイスラエルで「BNT162b2」を接種した59万6618名と、年齢・性別・居住地などが類似する同数の非接種群を比較対照し、あわせて120万人が参加する形で、新型コロナウイルス感染症の発症、入院、重症化、死亡に対する「BNT162b2」の有効性を観察した。
今回の研究結果は、「BNT162b2」の第3相試験で示された有効性とも近似する。第3相試験では、被験者4万3448名のうち半数に「BNT162b2」、残りの半数に偽薬を投与し、「2回目の接種から7日目以降で、新型コロナウイルス感染症を予防する有効率は95%であった」との結果が示されていた。今回の研究結果は、国レベルの大規模な集団接種をもとに、新型コロナウイルス感染症の発症や重症化などに対して「BNT162b2」が有効であることを示した点で注目されている。
イスラエルでは、1月中旬から高齢者の感染者が大きく減少している
豪サウスウェールズ大学のライナ・マッキンタイア教授は、今回の研究結果について「集団免疫が可能となるかもしれないと期待させるワクチンだ」と評価する。
この点について、2月9日に「メドアーカイブ」で公開されたイスラエル・ワイツマン科学研究所らの未査読論文では、「60歳以上の高齢者を優先して新型コロナウイルスワクチンの接種をすすめるなか、イスラエルでは、1月中旬、新型コロナウイルスの感染者が減少しはじめ、とりわけ、高齢者の感染者が大きく減少している」との研究結果が示されている。