トランプ再選に重要な郊外票 多様化進み支持獲得にハードル
経済への貢献度
米国内総生産(GDP)に占める郊外の割合は、少なくとも新型コロナ危機前まで、伸びなくなっていた。知識集約産業は都市部に集中していた。製造業誘致には広い場所が必要だ。郊外型のショッピングモールやオフィスパークも、ブームのピークを過ぎた可能性がある。
コロナ後の時代には、米国人の生活の形が大きく変わる可能性がある。しかし、その変化から恩恵を受けるのは都市部や通勤圏の郊外ではなく、もっと小さな町などになるかもしれない。既に2000年以降、国内総生産(GDP)に占める郊外の割合は頭打ちだった。
貧困率で見ると、ブルッキングス研究所の計算では、郊外では2000年代に上昇。幾つかの最大都市では、00年から15年にかけての貧困者数増加が57%に達した。
主婦
1950年代には郊外と言えば専業主婦の母親のイメージが強かったが、その時代は過ぎ去った。現在、郊外の既婚女性の多くは働いており、成人女性の既婚率は下がっている。
コロナ対策の不手際が原因で、郊外でのトランプ氏の支持率は下
がっている。ロイターが最近実施した調査によると、郊外に住む白人は、犯罪よりも経済と健康の方をはるかに懸念している。
(Howard Schneider記者)
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