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新型コロナウイルス

ワクチンができてもパンデミックが終わらない理由

How “Vaccine Nationalism” Threatens the Global War Against COVID-19

2020年5月21日(木)18時10分
デービッド・ブレナン

「そうでなくとも自国第一主義が横行する状況が、さらに醜悪になる恐れがある」と、ローゼンスタインは警告する。「ワクチンの供給量が少なければ、最高値を付けた国だけが全てを確保することになる」

そのために痛手を受けるのは貧しい国々だけではない。「ワクチンの公平な普及を求めるのは、利他主義ではない」と、ローゼンスタインは断言する。「世界中で感染拡大を抑えることができて初めて、パンデミックは収束するのだ。そのためには、できるだけ多くの国々で、まず最前線で闘う医療従事者と高齢者や持病がある人などリスクの高いグループにワクチンを接種するのが最も効率的な方法だ」

それができて初めて、国境を越えた人とモノの移動が可能なパンデミック以前の状態に戻り、経済の回復が可能になる。

現状ではそれは難しい。貧しい国々は、ワクチンが供給されても、広く接種するためのインフラが整っていないと、ソールズベリーは言う。特に高齢者への接種プログラムはこれまで実施されておらず、WHOが中心となって推進しなければならない。

「いつワクチンができるかと誰もが知りたがっているが、本当に問題なのは、世界中の国々で、優先的に接種すべき人々に、いつワクチンが届くか、だ。そこを間違えてはいけない」

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