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ジェンダー

リケジョは意外におトクなキャリア選択

2020年2月12日(水)16時10分
舞田敏彦(教育社会学者)

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男性では差はないが、女性では「文系<理系」の有意差がある。年収上位25%以上の割合は文系では20%だが、理系では41%と倍以上だ。全体の4分の1しかいないリケジョの稼ぎはいい。わが子の進路選択に際して、将来の成功の可能性を気にする親は多いが、「女子が理系なんて......」という思い込み(偏見)がいかに損かが分かる。先輩リケジョの生き様をデータ化し、女子生徒に示すのもいいかもしれない。

STEM女性を厚遇するのも1つの策だが、外発的動機付けだけに頼るのは寂しい。リケジョのモデルを見せ、「こういう職業に就きたい」という内発的な動機を高めるべきだ。その最良のすべは、中高の理数教科担当教員の女性比率を増やすことだ。欧米では半数近くが女性だが、日本では2割ほどしかいない。

これから先、世の中はICT技術(AI、ドローン、自動運転等)で運営されるようになる。そうした未来社会の設計に際して、女性の視点が抜け落ちるのは問題だ。STEM女性を増やし、社会の土台は両性で作って(創って)いかなければならない。

<資料:IEA「TIMSS 2015」
    OECD「PIAAC 2012」

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