熱々のお茶は要注意 飲み方によって食道がんのリスクを5倍に
お茶を飲む頻度が週1度以下で毎日のアルコール摂取量が15グラム以下の人と比較した場合、熱いお茶と15グラム以上のアルコールを毎日飲む人は、食道がんになる可能性が5倍になった。喫煙者で熱いお茶を毎日飲む人は2倍だった。単に熱いお茶を飲むだけの場合は、がんのリスクはそこまで大きくなかった。
食道がんのリスクを高める原因としてなぜ熱いお茶とアルコールやたばこなのか、という点について、タイム誌によると研究者らは、熱いお茶が食道の内膜に損傷を与えるからではないか、と推測している。損傷したところに喫煙やアルコールなどのさらなるリスク要因が加わることで、食道がんになる可能性が高まるのではないかというのだ。
研究チームはタイム誌に対し、食道がんを予防するには、「アルコールを過剰に飲む人や喫煙者は、熱いお茶を控えることが大切」と話している。しかし「当然、食道がんの予防として一番重要なのは、たばこを吸わないこととアルコールを過剰に摂取しないこと」と加えている。
WHO「お茶、コーヒー、白湯でも65度以上でリスクあり」
タイム誌は2016年の記事で、世界保健機関(WHO)が当時発表した「熱いお茶が食道がんのリスクを高める」という見解を紹介。ここで「熱いお茶」と定義されているのは、65度以上だ。WHOは、お茶のみならずコーヒーや白湯でも、65度以上の場合は食道がんのリスクを高めるとしている。
では65度とはどのくらいの熱さなのだろうか? 前述の2016年のタイム誌は、米国コーヒー協会が推奨するコーヒーの温度は華氏180〜185度(摂氏約82〜85度)と述べている。ちなみに日本のUCCのウェブサイトによると、コーヒーの提供時は80〜82度、飲みごろは68〜70度だ。
つまり、WHOが言う「食道がんのリスクを高める」65度を上回る温度でコーヒーなどを飲んでいる人が多い可能性がある。アルコールの頻度が高い人や喫煙する人は、お茶やコーヒーは念のため少しぬるめと感じるくらいの方が健康にはよさそうだ。