持続可能な社会の実現を目指す、ブラザーグループの取り組み
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CSR&コミュニケーション部 コミュニケーショングループ ブランド推進チームで、シニア・チーム・マネジャーを務める岩田俊夫氏。
1世紀以上にわたって、独自の技術で製品づくりを行ってきたブラザー工業(本社:名古屋市)を擁するブラザーグループ。世界40以上の国と地域に拠点を置きグローバルに展開する中で、最も力を入れている分野のひとつが環境問題に対する取り組みである。社内での制度や海外での環境保全活動、さらには環境技術について、同社CSR&コミュニケーション部でシニア・チーム・マネジャーを務める岩田俊夫氏に話を聞いた。
"Brother Earth"とともに認知度がさらに向上
ブラザーグループが、環境問題に本格的に取り組み始めたのは1991年までさかのぼる。同年、事業活動に関わる環境負荷削減を推進する全社環境対策組織を発足。1992年にオゾン層保護対策プロジェクトを立ち上げ、1996年にブラザーインダストリーズ(イギリス)でISO14001認証を取得するなど、環境負荷削減を着実に進めてきた。こうした流れの中で、グローバルに展開するすべての活動の礎として、1999年に誕生したのが"ブラザーグループ グローバル憲章"である。
これは、グループ従業員の日々の意思決定と実行に対する、基本方針と行動規範を説いたもの。その中で、持続的発展が可能な社会の構築に向け、地球環境への配慮に前向きで継続的な取り組みを行うことを約束している。「例えば、 "ブラザーエコポイント活動"は、不要な照明を消すといった従業員のエコな活動に対してポイントを付与。貯まったポイントは、ブラザーグループが支援する環境保全活動費用への寄付として利用できる制度です。今では全世界の従業員の3分の2以上が参加しています」と、岩田氏が説明する。
興味深いのは、こうした活動がトップダウンによるものではなく、従業員が自発的に行なっている点である。海外に目を向けると、タイでは経済の発展に伴いマングローブ林が急速に減少。これに危機感を抱いたブラザーグループの従業員が、2009年よりマングローブ林の再生支援を開始した。「"ブラザーグループ グローバル憲章"は、27言語に翻訳され全世界の従業員が熟知。企業が未来永劫にわたって存続するためには何をするべきかという視点に立って、次代を担う中核の従業員も立案から関わっています」と、その背景を説明してくれた。
そして、2010年には環境スローガンの"Brother Earth"を制定。ネーミングライツのパートナーとなったことで、名古屋市科学館プラネタリウムドームの愛称にも採用された。そこには、子どもたちが宇宙への理解を深めることによって、美しい地球を守る心が育まれるという思いが込められている。また、「よりよい地球環境を、あなたとともに」の統一メッセージを添え、環境問題に対する活動をより加速させることとなった。
2011年には環境に特化した、スローガンと同じ名称のwebサイトを開設。全世界における環境保全活動や、すでに製品化されている環境技術に関する情報を公開している。支援したい環境保全活動を選んで画面をクリックすると、1クリックあたり1円をブラザーグループが閲覧者に代わって寄付するという、クリック募金という仕組みも取り入れた。「昨年は絶滅の危機に瀕している動物を紹介する新しいコンテンツを投入。おかげさまで訪問者数は年々増加しています」と話すように、環境問題に取り組むブラザーグループの認知度は飛躍的に高まっているといえるだろう。