最新記事

教育

地方学生が抱える奨学金ローンの破綻リスク

2017年6月28日(水)15時50分
舞田敏彦(教育社会学者)

奨学金を利用する学生は過去の約20年で倍以上に増えた david franklin-iStock.

<大学生の奨学金利用率は都道府県によっては6割を超える。利用率が高い地方の学生は、それだけ借金返済の破綻リスクを抱え込んでいる>

教育基本法第4条は「教育の機会均等」を定めており、その第3項で「国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない」と規定している。

ここでいう「奨学」の措置として代表的なものは奨学金だが、この制度を利用する学生は年々増加している。高等教育機関の学生のうち、奨学金の貸与を受けた学生は1998年度では50万人だったが、18年後の2016年度では132万人にまで膨れ上がっている(日本学生支援機構調べ)。学費の値上がりや親世代の収入が減っていることが要因として考えられる。

大学生の奨学金の利用率は、国公立大学よりも私立大学の方が高い。私立大学の中で見ると、入試偏差値の低い大学ほど奨学金利用率は高い傾向にある。しかしもっと注目されるのは、地域による違いだ。

【参考記事】政治活動にほとんど参加しない日本の若者

日本学生支援機構のデータベースをもとに、大学生の奨学金利用率を47都道府県別(大学の所在地)に計算してみた。2015年度の在学生のうち、奨学金を貸与された者が何%いたかがわかる。この比率を地図で表示すると、<図1>のようになる。

maita170628-chart01.jpg

利用率の全国値は35.4%(3人に1人)だが、都道府県別に見ると、最高の63.0%から最低の24.0%まで大きな開きがある。東京では4人に1人だが、青森では6割の学生が奨学金を借りて学んでいる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国債保有増、8割が欧州 25年に「米国売り」見ら

ワールド

米エネ長官、世界の石油生産倍増を提唱 グリーンエネ

ワールド

トランプ氏、JPモルガンとダイモン氏提訴 「デバン

ワールド

仏、制裁対象のロシアタンカー拿捕 西地中海の公海上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 2
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレアアース規制で資金が流れ込む3社とは?
  • 3
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている「とてつもなく巨大な」生物...その正体は?
  • 4
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 5
    老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    ノーベル賞に選ばれなかったからグリーンランドを奪…
  • 9
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 10
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 9
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中