最新記事

テロ

ブレグジット後の治安協力は? 襲撃テロで英国が懸念

2017年3月25日(土)11時13分

EU内の情報共有は完璧というには今なおほど遠いと、批判的な見方をする人もいる。フランスとドイツが大規模で十分な要員が配置されている情報機関を持つ一方、ベルギーの諜報機関での長年にわたる怠慢が、同国ブリュッセルの空港と地下鉄駅で昨年起きた爆破事件によって浮き彫りとなった。

昨年12月、ドイツ首都ベルリンのクリスマスマーケットにトラックで突入し12人を殺害したアニス・アムリ容疑者は、監視対象でありながら、各国で14の偽名を使い分けて捜査網をくぐり抜けた。

しかし近年発生した一連の攻撃を受け、EUは昨年12月、加盟国に対し潜在的脅威をもたらす人物について警告を発することを義務づけてそうした穴を埋めようとしたり、指紋などの生体認証データを共有するデータベースを構築する計画を打ち出したりしている。

欧州議会の自由・司法・内務委員会で委員長を務める英国人のクロード・モラエス氏は、英国にとって大きな賭けだと話す。「われわれは、何を失いつつあるのかについてもっと真剣に議論する必要がある」

(Robin Emmott記者、Alissa de Carbonnel記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

[ブリュッセル 23日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

カナダ首相がフロリダ訪問、トランプ氏と会談へ

ビジネス

英中銀、危機時のノンバンクの脆弱性指摘 金融システ

ビジネス

中国11月製造業PMI、2カ月連続で50上回る 景

ビジネス

英中銀、貿易障壁の高まりによるリスク警告 借入コス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 2
    ウクライナ前線での試験運用にも成功、戦争を変える新型ドローン・システム
  • 3
    エリザベス女王はメーガン妃を本当はどう思っていたのか?
  • 4
    エスカレートする核トーク、米主要都市に落ちた場合…
  • 5
    バルト海の海底ケーブルは海底に下ろした錨を引きず…
  • 6
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖…
  • 7
    「すぐ消える」という説明を信じて女性が入れた「最…
  • 8
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 9
    定説「赤身肉は心臓に悪い」は「誤解」、本当の悪者…
  • 10
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを…
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 4
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 7
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 8
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 9
    エリザベス女王はメーガン妃を本当はどう思っていた…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中