最新記事

極右

オランダのパラドックス、豊かな国で極右政党台頭の理由

2017年3月10日(金)08時56分

オランダ統計局(CBS)によれば、同国人口に占める西側諸国以外からの移民の比率は、1996年の7.5%に対して、2015年は12.1%へと上昇した。現在、総人口1700万人のうち、約5%がムスリムである。

「動物園の檻が全部開けられていたら、どれほどの混乱が起きるか想像してほしい」。フォーレンダムで暮らす年金生活者のウィレム・ビアマンさんは、ウィルダース氏の反イスラム、反EUの主張を支持する理由についてそう語った。

「それが今の欧州で起きていることだ」

オランダ国民は昔から、その歴史に根ざした寛容な多文化主義で知られている。しかし、それぞれの選挙区の所得水準や、外国人住民の割合に関係なく、移民問題がオランダ総選挙の重要な争点となっている。

犯罪増加への懸念

フォーレンダムは白人の中産階級を主体とする地域だ。小さいが美しく塗装された家々が、ゴミ1つ落ちていない街路に軒を連ねている。

約8000人の人口のうち、西側諸国以外からの移民は2%にすぎず、ほとんど目立たない、失業率は3%で、犯罪発生率は人口1000人当たり3件だ。

デランゲ氏によれば、フォーレンダムのような地域における反移民感情は、犯罪増加などの「大都市問題」が、自分たちが暮らす静穏な地域に波及するのではないかという懸念に端を発していることが多いという。

フォーレンダムは、移民の多いオランダ最大の国際都市アムステルダムから車で30分の距離にある。

国内第2位の都市ロッテルダムでは、以前から、白人有権者がウィルダース氏の自由党やその他の極右政党に引き寄せられてきた。総人口63万1000人の38%が移民であり、失業率は12%を超える。いずれも全国的にみて高い数値だ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

エプスタイン文書追加公開、ラトニック・ウォーシュ両

ワールド

再送-米ミネソタ州での移民取り締まり、停止申し立て

ワールド

移民取り締まり抗議デモ、米連邦政府は原則不介入へ=

ビジネス

アングル:中国「二線都市」が高級ブランドの最前線に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 4
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタ…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 7
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 10
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 6
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 7
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 8
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 9
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 10
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中