セレブに不人気のトランプ、就任式盛り上げ役はデモ隊?
1月17日、豪華なホテルやドラマチックなリアリティー番組で名をはせたドナルド・トランプ氏(写真)だが、第45代米国大統領に就任する20日の式典は、芸能界の大物らも出席せず、地味なものになりそうだ。ワシントンで撮影(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)
豪華なホテルやドラマチックなリアリティー番組で名をはせたドナルド・トランプ氏だが、第45代米国大統領に就任する20日の式典は、芸能界の大物らも出席せず、地味なものになりそうだ。
これまでの歴代大統領のように、トランプ氏も米連邦議会議事堂前で宣誓し、ペンシルベニア通りでパレードを行うが、就任を祝う舞踏会や、新大統領を迎える芸能人の数も少なく、華やかさに欠けるとみられている。
チャーリー・チャップリンやミッキー・ルーニーといった当時のスターが出席したフランクリン・ルーズベルト大統領の3期目となる1941年の就任式以来、大統領就任式にはスターが集結するものだったと、歴史家で米大統領就任式に関する著書のあるジム・ベンダット氏は語る。
だが今年の就任式では、エルトン・ジョンやシャルロット・チャーチら複数の歌手が式典で演奏するのを断った。ブロードウェイ・ミュージカル出身の人気歌手ジェニファー・ホリデイは一度は承諾したものの、ファンからの反発を受け、撤回した。
「そのような前例は見当たらない」とベンダット氏は言う。
トランプ氏の大統領就任式の実行委員会は、あえて一流のエンターテイナーは避けていると説明する。「幸運にも、われわれには(トランプ)次期米大統領という世界でも最も偉大なセレブがいる」と、実行委員会委員長のトム・バラック氏は先週、ニューヨーク市のトランプタワーで記者団に語った。
トランプ氏は3カ所の舞踏会に出席する予定だが、近年の就任式では舞踏会は約10カ所で開かれ、大統領夫妻がそのすべてに参加してダンスをするのが恒例となっていた。
ベンダット氏によると、舞踏会の数が最も多かったのは1997年、ビル・クリントン氏が大統領に就任したときだった。14カ所で開かれた舞踏会に参加したという。
就任式の前日となる19日には、合唱団やマーチングバンドがリンカーン記念堂で演奏したあと、カントリー歌手のトビー・キースがコンサートを行う。
異例な支持率の低さで大統領に就任するトランプ氏は、就任式が人気に欠け、参加率も低いとの報道に繰り返し反論している。