今後の日本の命運を握る若年層が急減少
若年人口の国際順位は、時代とともに変化する。日本の20~40代人口は、高度経済成長のさなかの1960年では3943万人で、世界で5位だった。最近はどうで、さらに将来はどうなるか。40年のスパンで、上位20位の顔ぶれの変化をまとめると<表1>のようになる。
人口大国の中国とインドが圧倒的に多い。インドは今後も勢いが続き、2040年には中国を抜いて首位になる。2040年では、この2国だけで世界の若年人口の3分の1が占められる。巨大なマーケットとなるので、両国の言語や文化を学ぼうという機運も高まるだろう。
日本は時代とともに順位が下がり、2040年には19位まで落ちると予測される。その一方で、アジアやアフリカの新興国の躍進が目立つ。上記の表は、経済勢力地図の変化と言えるかもしれない。
【参考記事】世界トップの教育水準を労働生産性に転換できない日本の課題
日本では今後、人口減少と高齢化により、国内市場ではモノが売れなくなる。お隣の韓国では、一流企業に入るには英語力や海外留学経験が必須というが、日本も近いうちにそうなるのではないか。いやおうなしに企業は国外への進出を迫られるのだから。
欧米並みに社会を多国籍化することで、消費意欲旺盛な若年人口をキープするのか。あるいは空洞化が進む一方なのか。これからの日本には、かつて経験したことのない大変化が待ち受けている。
<資料:United Nations「The 2015 Revision of World Population Prospects」>