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レジャーコロナ時代の休暇は近場のアウトドアで「上質な時間」を
Heading Outdoors
キャンプは自然に親しみながら家族の絆を強めるチャンス LECHATNOIR/ISTOCK
<巣ごもりの続く日常で崩れた生活バランスと家族の絆を自然の中で取り戻す>
ロックダウン(都市封鎖)に伴う強制的な巣ごもり生活は、外に出て自然の中で活動することの大切さを再認識させるものだった。今後移動の自由が拡大されれば、多くの人が人通りの多いビル街から離れ、大自然や田園を楽しみたいと思うはずだ。
となると、庭園や国立公園、海岸といった屋外のエリアは、より多くの人出を集めそうだ。
一方、レストランや博物館などの屋内施設は、需要の低迷が長引く可能性が高い。
観光業界は、自宅近くの屋外で休暇を楽しむ人々が増えると予想している。アメリカでは国立公園財団が全国的なキャンペーンを展開し、あまり知名度が高くない公園を宣伝している。民泊仲介サイトのAirbnb(エアビーアンドビー)は、「Go Near--身近にある、特別な旅」キャンぺーンを開始した。
イギリスでも趨勢は同じ。観光庁が毎週公表している消費者動向調査によると、成人の20%が9月までに国内の小旅行や休暇を計画している。
屋外で過ごすことは、血圧や消化機能を改善し、免疫力を高める効果がある。緑の木々の近くで過ごせば、より多くの酸素を取り込み、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌が促進される。
多くの人々が心身の健康状態を改善する手段として、アウトドア活動を休日の計画に取り入れている。野外での活動は、家族一緒に楽しめるという利点もある。
上質な時間が待っている
なかでもキャンプは家族の絆を強め、よりアクティブで自然志向のライフスタイルを体験できる。英プリマス大学の研究によると、よくキャンプに行く子供は学校の成績が良く、健康で幸福感が高い。
この研究に参加した子供たちにキャンプの何が好きかを尋ねたところ、「友だちをつくれる」「楽しい」「野外で遊べる」「さまざまなキャンプのスキルを学べる」が上位を占めた。子供たちはテレビやデジタル機器から離れ、新鮮な空気の中で問題解決に取り組み、誰かと一緒に作業することの価値も理解していた。
家族の構成は大きく変わり、別々の場所に離れて暮らす家族は全く珍しくなくなった。休暇は多くの家族にとって、異なる世代の親族と再会し、上質な時間を共有するチャンスになる。
親が長時間働くことが多い家族にとり、休日は家族の絆を維持する絶好の機会でもある。多くの働く親、特に母親はロックダウン中に仕事と子育てのバランスが悪化したと感じている。
家族で過ごす休日のメリットはたくさんある。例えば家族全員が生活のバランスを取り戻し、結び付きを再確認すること。休暇は新しいスポーツや余暇活動に挑戦する機会であり、自信と自尊心を高めるのにも役立つ。
だから、今年の夏は外国に行けないからといって嘆くことはない。代わりに自宅とロックダウンから離れて、大自然の中で上質な家族の時間を楽しもう。
休日はコロナ時代の新しい生活環境に伴う緊張をほぐすだけでなく、子供や他の家族が新しい何かを体験するチャンスでもある。野外で料理したり、キャンプファイアで歌を歌ったり、川で泳いだり、星空を観察したり......。あるいは自然に親しむだけでも貴重な経験になる。
Carol Southall, Course Leader and Senior Lecturer at Staffordshire Business School, Staffordshire University
This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.
2020年8月11日/18日号(8月4日発売)は「人生を変えた55冊」特集。「自粛」の夏休みは読書のチャンス。SFから古典、ビジネス書まで、11人が価値観を揺さぶられた5冊を紹介する。加藤シゲアキ/劉慈欣/ROLAND/エディー・ジョーンズ/壇蜜/ウスビ・サコ/中満泉ほか
[2020年7月28日号掲載]