最新記事

ヘルス

「酒飲み」はオワコンに? シリコンバレーも注目の「ソバーキュリアス」を名乗る若者たち

2019年07月24日(水)17時40分
寺町幸枝

ソバーキュリアスたちはアルコールは「自分をいい気分にしてくれないもの」と言う(写真はイメージ) princigalli-iStock

<今の若い人はお酒を飲まない、と言うが本当にその傾向は拡大していた。脱アルコールトレンドの波はニューヨークの飲食店に新しい「バー」を生み出すほど......>

職場の仲間と飲みに繰り出す「飲みニケーション」の是非が話題になることが多い。職場の人間関係を円滑にする、一方でパワハラの温床になるなど賛否両論があるが、事実、現在の20代は一世代前に比べて20%もアルコールを飲んでいないという。若い世代では、「お酒を飲む」という行為から遠ざかる風潮があり、職場のお酒の付き合い自体を敬遠しているわけではないようだ。

今、若者たちの間で新たなムーブメントとして注目されているのが、「Sober Curious(ソバーキュリアス)」を自称する人たち。お酒が飲めない訳ではないが、あえて飲まない人や、少量しか飲まない人を指す。ミレニアル世代を中心に、このあえて「飲まない」がトレンドになっているという。

世界的に広まる肉体的、精神的健康志向

脱アルコールの傾向は、16〜24歳の1万人を対象にした調査からも明らかだ。CNNによれば、2005年にアルコールを飲まないと答えた、イギリスに住む若者が18%だったのに対し、2015年には30%まで拡大している。

ミレニアル世代を中心としたソバーキュリアスたちをアルコールから遠ざける要因になっているのは、これまでのヘルシー志向に加えて、世界規模で広がる「マインドフルネス」など、精神的な豊かさを追求する傾向という。

アルコールを避ける人たちにとって、アルコールは「自分をいい気分にしてくれないもの」と断言されている。食生活を変え、運動を習慣にしている人は、日常から「Toxic(毒)」を除くために努力している。それにも関わらず、アルコールを一口飲むだけで、その努力は無駄になってしまうというのだ。

またビジネスの世界では、これまで会食にアルコールはつきものというのが常だった。しかしシリコンバレーでは、アルコールを飲まない人が増加。法律系テック企業「アトリウム」のファウンダー兼CEOのジャスティン・カン氏は、断酒の決意表明をツイートし、早速メッセンジャーアプリ「テレグラム」で断酒コミュニティを立ち上げた。すると、すぐに1000人以上がグループに参加し、カン氏はこんなにも共感が大きいことに驚きを語った。

【参考記事】パワハラが起こる3つの原因 日本企業は変われるか
【参考記事】あなたの代わりに酔っぱらいます

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ガザ全域で通信遮断、イスラエル軍の地上作戦拡大の兆

ワールド

トランプ氏、プーチン氏に「失望」 英首相とウクライ

ワールド

インフレ対応で経済成長を意図的に抑制、景気後退は遠

ビジネス

FRB利下げ「良い第一歩」、幅広い合意= ハセット
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 3

    「結婚に反対」だった?...カミラ夫人とエリザベス女…

  • 4

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

  • 5

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 1

    「高慢な態度に失望」...エリザベス女王とヘンリー王…

  • 2

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 3

    「結婚に反対」だった?...カミラ夫人とエリザベス女…

  • 4

    やはり「泣かせた」のはキャサリン妃でなく、メーガ…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 2

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 5

    「結婚に反対」だった?...カミラ夫人とエリザベス女…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:世界が尊敬する日本の小説36

特集:世界が尊敬する日本の小説36

2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは