最新記事

宇宙

アマゾンのベゾス、宇宙旅行成功で「最良の日」 ブルーオリジン初有人飛行

2021年7月21日(水)07時49分
米アマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾス氏が搭乗したロケット「ニューシェパード」

米アマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾス氏(57)が率いる宇宙開発ベンチャーのブルーオリジンは20日、テキサス州で自社開発したロケット「ニューシェパード」を打ち上げ、初の有人飛行に成功した(2021年 ロイター/Joe Skipper)

米アマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾス氏(57)が率いる宇宙開発ベンチャーのブルーオリジンは20日、テキサス州で自社開発したロケット「ニューシェパード」を打ち上げ、初の有人飛行に成功した。

ベゾス氏ら4人が搭乗した宇宙船は上空でロケットから切り離され、高度約107キロに達した。数分間の無重量状態を体験した後、無事帰還した。打ち上げから着陸までの飛行時間は約10分10秒だった。

4人を乗せたカプセルの着陸後、ベゾス氏は「人生で最良の日」と感動をもらした。

宇宙船に乗り込んだのはベゾス氏の他、同氏の弟マーク・ベゾス氏、女性の元宇宙飛行士ウォリー・ファンクさん(82)、初の商業旅行者となるオリバー・デーメンさん(18)。ファンクさんとデーメンさんは共に、宇宙旅行を経験した最年長と最年少になる。

ブルーオリジンは年内にあと2回の有人飛行を計画。ベゾス氏は帰還後の記者会見で、今回の飛行は野心的な未来に向けた第一歩だったと述べた。来年以降の飛行計画はまだ立てていないとしながらも「需要は極めて高い」とし、「私達の子ども、孫世代が未来を築けるよう、われわれは宇宙への道を開拓する。この地球上での問題を解決するために開拓する必要がある」と述べた。

その上で「地球、そして地球を取り巻く大気を窓から見たのが最も印象深かった」とし、今回の経験で地球の美しさと脆さを実感したと語った。

11日には、英宇宙旅行会社ヴァージンギャラクティックが実施した新型有人宇宙船「スペースシップ2」の試験飛行が成功し、ヴァージン・グループ創業者で富豪のリチャード・ブランソン氏(70)が自ら搭乗員の1人として初めての宇宙空間と無重力などを体験した。

ブランソン氏は20日、「良くやった」とツイッターに投稿し、ベゾス氏の宇宙旅行成功を祝福した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・Amazonのジェフ・ベゾスは地球に還ってこないで...署名が14万筆を突破
・リチャード・ブランソンの宇宙船はどうやって飛んだのか<動画あり>
・前澤友作氏も仲間入り...7人の大富豪たちはなぜ宇宙を目指したのか


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 9
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    大麻は脳にどのような影響を及ぼすのか...? 高濃度の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中