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「糖質制限ダイエット」がいけないこれだけの理由 炭水化物は少なすぎると不健康に

2021年5月29日(土)15時38分
津川友介(カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) 助教授) *東洋経済オンラインからの転載

しかし1年経つと、この2つのグループの間での違いはなくなってしまいました

糖質制限ダイエットと低脂質ダイエットの体重変化(1年)

注:糖質制限ダイエットと低脂質ダイエットの体重変化(1年)。図の縦軸は体重変化、横軸は月数を表す。糖質制限ダイエット(Low-carbohydrate diet)の長期的な減量効果は示されていないことがわかる。
出典:Foster et al. NEJM. 2003.

さらにデータを見てみると、1年間の段階で両群とも約4割の人はドロップアウトしていることがわかりました。つまり、糖質制限ダイエットは長期的に続けることが難しい食事法であることを意味しています。

糖質制限ダイエットは、低脂質ダイエットと比べて副作用も多い食事法です。やはり不溶性の食物繊維の摂取量が減るので、約7割の人が便秘になりますし、6割の人が頭痛を経験すると報告されています

これらを総合的に判断すると、糖質制限ダイエットは医学的にはあまりおすすめできない食事法であると言っても良いと思います。

糖質制限ダイエットの副反応

出典:Yancy Jr. et al. Ann Intern Med. 2004.

茶色い炭水化物「玄米」は病気のリスクも下げる

玄米にはさらに色々なメリットがあることが複数の研究で報告されています。

例えば、サンプルサイズの小さな研究ですが、インドで行われた実験(ランダム化比較試験)では、白米と比べて玄米では血糖値の上がりを約20%減少させたと報告されています。玄米が糖尿病のリスクを下げたり、ダイエットに有効なのはこれが理由だと考えられます。

玄米の外皮(正確には酒粕)を摂取することで腹囲が減ったというランダム化比較試験の結果もあります。韓国からの報告です。

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