最新記事

宗教学

亡くなった人の気配を感じたら......食べて、寝て、遊べばいい

2018年8月13日(月)14時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

kyonntra-iStock.

<親しかった人を亡くして、気配を感じることがあっても、それにはちゃんと理由がある。宗教学者が「死」を通して「生(せい)」の意義を考えた『しししのはなし』より>

お盆は先祖を家々に迎え、祭る時期。1年で最も「死」を身近に感じる季節と言えるかもしれない。

死とは何か。人は死んだらどうなるか。幽霊は存在するのか。親しい人や家族を亡くしたとき、どうすればいいか。自分もいつか死ぬなら、どのように生きていけばいいのか。自殺は悪いことなのか......そんなことを考える良い機会でもあるだろう。

そんなとき、この本が役に立つかもしれない。『しししのはなし――宗教学者がこたえる 死にまつわる〈44+1〉の質問』(正木晃・著、クリハラタカシ・絵、CCCメディアハウス)。

宗教学者である正木晃・慶應義塾大学非常勤講師が、日常に点在するさまざまな「死」を通して「生(せい)」の意義を考えられるよう、まとめた1冊だ。

この本はこんなふうに始まる。

shishishibook-p2-3.png

shishishibook-p4-5.png

shishishibook-p6-7.png

shishishibook-p8-9.png

shishishibook-p10.png

人間は誰しも、刻一刻と、死に近づきながら生きている。死と聞いて何をイメージするかは人それぞれだろうが、生命あふれるこの世界は、裏を返せば死にあふれているということだ。

ここでは、この本の〈44+1〉の質問から3つを抜粋し、3回に分けて掲載する。第1回は「亡くなった人の気配を感じたら?」。

◇ ◇ ◇

28. 亡くなった人の気配を感じたら?

親しかった人を亡くすと、どうしても神経が過敏になります。妙にハイな状態が続くこともあります。そうかと思うと、激しく落ち込むこともあります。いずれにしても、尋常ではない精神状態になりやすいのは、疑いようのない事実です。

普段なら、何ということもなく見過ごしてしまうものでも、気にかかって、思わず目を向けてしまいます。ちょっとした物音にも、耳が敏感に反応してしまいます。

また、睡眠不足になりがちです。そうなると、身体は疲れ果ててくるのですが、感覚はかえって変に冴えてしまいがちです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

貿易分断で世界成長抑制とインフレ高進の恐れ=シュナ

ビジネス

テスラの中国生産車、3月販売は前年比11.5%減 

ビジネス

訂正(発表者側の申し出)-ユニクロ、3月国内既存店

ワールド

ロシア、石油輸出施設の操業制限 ウクライナの攻撃で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中