最新記事

株の基礎知識

「つみたてNISAから」と助言したのに、母が突然デイトレードを始めた本当の理由

2022年12月22日(木)16時35分
井本ちひろ ※かぶまどより転載
投資

写真はイメージです monzenmachi-iStock.

<投資経験がまったくなかったのに、突然デイトレードを始めた母。そんな母にはある変化が......>

きっかけはテレビドラマ

母が初めて「デイトレード」というものを知り、興味をもつきっかけとなったのは、テレビドラマ「きのう何食べた?」(テレビ東京)でした。

作中に出てくるジルベールこと井上航(磯村勇斗)が、1日2万円を目標にデイトレードをし、その他の時間は自由なことをしている姿を見て、「自分もやってみたい」と思ったそうです。

当時の母は投資未経験なうえに、パソコンを使うこともほぼありませんでした。そのため、「デイトレードしてみようかな」とボソッと言うのを聞いた私は「まずはつみたてNISAから始めてみたら?」とアドバイスをしていたのですが、気づけば父とともにトレーダーデビューを果たしていました。

母がデイトレードを始めるきっかけになったのは、ドラマだけではありません。「預貯金に利息がほぼつかないこと」も、デイトレードに挑戦することになった大きな理由のひとつだそうです。

定期預金をするイメージで少しずつ資産を増やしていくならば、「つみたてNISA」という初心者にぴったりの選択肢があります。しかし、母としては「投資は時間がかかるから、すぐに結果を数字として出したい!」と思ったのだとか。それで、「習うより慣れろ」の精神で飛び込んでみたというのです。

とはいえ、まったく無知識で挑むのはさすがにリスキーすぎるとわかっていたので、ひとまずYouTubeで少しだけ知識を得て、トレード生活をスタート。1日の目標利益を5,000円に定めて、大きな利益は狙わず、まずは少額から始めたのでした。

トレードを始めて変わった母

投資未経験で株式市場という大海原に飛び込み、なかでも知識だけでなくスキルが必要とされるデイトレードに挑戦した我が母。実際にトレードをしてみた感想を聞くと、「株価が上下するのを見るのはおもしろい」という回答が真っ先に返ってきました。

母は現在は専業主婦ですが、もともとは生命保険会社や結婚紹介所の仲人として、ずっとフルタイムで働いてきました。これまでは外にいる時間がほとんどだったわけですが、退職を機に家にいる時間が一気に増えて、「何かを始めなければ」という気持ちがあったのだとか。

デイトレードを始めてからの母は、企業情報や為替市場の動きなどに敏感になりました。私が「スプラトゥーン3」を購入した話をすると、ゲームの発売によって任天堂の株価が急上昇したことを教えてくれたりもしました。

また母は、デイトレードを始めるまでは完全に「夜行性」でした。深夜の2時3時まで韓国ドラマやアニメを見たり、「モンスターハンター」や「ゼルダの伝説」などのゲームをしたりして毎晩夜ふかし。朝は8時か9時頃にようやく起きるという、まるで学生のような生活をしていたのです。

(参考記事)「投資」と「トレード」は別物 株の勉強をする前に知っておくべき大事なこと

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

スイス中銀、リオ・ティント株売却 資源採取産業から

ワールド

ドイツ外相の中国訪問延期、会談の調整つかず

ビジネス

ヘッジファンド、AI関連株投資が16年以来の高水準

ワールド

ロシア、米欧の新たな制裁を分析中 国益に沿って行動
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 2
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼稚園をロシアが攻撃 「惨劇の様子」を捉えた映像が話題に
  • 3
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 4
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 7
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 8
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 9
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 10
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 9
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 10
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中