最新記事

教育

「できる東大生」はノートの取り方が全然違う アウトプットのための凄い思考術

2021年5月22日(土)13時00分
片山 湧斗(東京大学学生・理科三類在学中) *東洋経済オンラインからの転載
東京大学の学生のノート

東大生のノートの取り方を分析してわかった共通点があります(写真:筆者提供)

東大生は望む結果を得るために、何を、どう考えているのか。その思考回路が可視化されるのが「ノート」です。ノートは情報を自分の中で整理して頭に入れる「インプット」のために活用するのが一般的ですが、「東大生はアウトプットのためのツールとして使っている」と話すのが、東京大学理科三類の学生である片山湧斗氏です。具体的にどういう使い方をしているのか。『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』を上梓した、片山氏が解説します。

「東大生たちにとって、そもそもノートとはなんなのだろうか?」

「勉強や思考の整理に、どんなふうに役立てているのだろうか?」

私はずっとそんなことを考えて受験生をやっていました。私は1浪して千葉大学の医学部に入学しましたが、「それでも東京大学医学部にいきたい!」と再び受験勉強を開始。結果的には6浪し、昨年、東京大学理科三類になんとか合格することができた者です。

そのような経験をしたことから、自分の勉強を見直し、東大生たちがどう勉強しているのかを知りたいと考え、100人以上の東大生のノートを独自調査しました。自分と彼ら彼女らと、どんなところが違うのか、と。

その中で見えてきたのは、「ノートの取り方」の違いでした。頭のいい人は、まったく異なるのです。今回は実際の東大生のノートを見ながら、それを紹介したいと思います。

アウトプットのためにノートを取る

東大生は「アウトプット」のためにノートを取っています。「インプット」というのは、情報を自分の中で整理して頭に入れることです。逆に「アウトプット」というのは、インプットしたことを自分の頭の中から外に出すことを言います。

ノートはたいていの場合、インプットのためのものとして使われます。授業で聞いた内容や人の話を後から見返すためにノートを取るケースが多いのではないでしょうか。私もそうでした。

でも、多くの人が勘違いしていることなのですが、ノートって、インプットのためだけのツールではないんです。後から振り返って勉強するためだけにノートを取っているわけではありません。それが目的なら、授業の内容が書かれた黒板をスマートフォンなどで撮影すれば事足りてしまうわけです。時間をかけて紙に文字を書いたりする必要は皆無ですし、むしろ効率が悪いといえます。

それにもかかわらず、東大生は自分なりのノートを取っていて、写真に撮って終わりにはしません。ひと工夫もふた工夫もあるノートを日夜作って、勉強に生かしています。それはどうしてなのかといえば、東大生は「ノートをインプットのためのツール」ではなく、「アウトプットのためのツール」として使っているからです。

東大生のノートは思考の型になっています。後から見返すだけでなく、そのノートを取ること自体が記憶の定着や思考の整理につながる。つまり自分の思考が整理されて、新しいものが見えてくることがあるわけです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 デフォルトリ

ワールド

トランプ氏、経済政策が中間選挙勝利につながるか確信

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 6
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中