「無意識的な偏見」が、社会の活力と成長を阻害する...企業が多様性を推進する理由
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<不平等の解消と、豊かで活力にあふれた地域社会の実現に必要なものとは──。「DE&I」を掲げるアメリカン・エキスプレスが目指す真の「多様な社会」>
持続可能でよりよい世界を目指すため、国連加盟国が2030年までの達成を目指す「SDGs(持続可能な開発目標)」は、17の大きな目標で構成されている。そこには「気候変動への具体的対策」や「貧困の撲滅」などとともに、「ジェンダーの平等」や「国内外における不平等の解消」といった目標も掲げられている。望ましい未来のためにはさまざまな面での不平等の解消が必要だということは、国際的な共通認識になっていると言えるだろう。
こうした目標を達成するための重要なキーワードとして、よく聞かれるようになったのが「ダイバーシティ&インクルージョン」だ。これは人種や性別、宗教や性的指向、身体能力や特性、そして価値観など、個々人の多様性を認める「ダイバーシティ(多様性)」に、社会や組織がそうしたすべての人々を受け入れて最大限に活かそうという「インクルージョン(包括・受容)」という考え方を加えたもの。政府や公的機関だけでなく、近年では世界中の企業が行う取り組みにも注目が集まっている。
そうしたダイバーシティ&インクルージョンにおいて、先進的な取り組みを進める企業の1つがアメリカン・エキスプレス(以下・アメックス)だ。世界最大級の意識調査機関Great Place to Work®︎が実施する調査・ランキングで、「働きがいのある会社」として毎年のようにランキングの上位入賞を果たすなど、その取り組みが高く評価されている。
多様性と包括・受容に、公平性を加える
「今や多くの企業では多様な特性を持つ人々を受け入れる取り組みが始まっていますが、真の意味でダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を実現するためには、働くすべての社員が平等に扱われていると感じられる環境を整えなければなりません。そこでアメックスではダイバーシティ&インクルージョンにエクイティ(公平性)を加え、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)を推進しています」
そう話すのは、アメックスの加盟店事業部門マーケティング アジア太平洋地域副社長の津釜宣祥氏だ。津釜氏によると、同社ではいち早く取り組んできた女性やLGBTQ+の社内ネットワークづくりなどに加え、以前より無意識的な偏見を意味する「アンコンシャス・バイアス」に関するトレーニングや男女間の賃金格差の是正にも力を入れてきたという。