中小企業のバックオフィスDX化はなぜ難しいのか
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<世はDX流行りだが、中小企業におけるデジタル化はなかなか進んでいない。どこから手を付けるべきか。企業タイプ別に解説する>
バックオフィス業務をデジタル化し生産性を高めるDX導入を政府が推進しはじめて久しいですね。しかし、現状では中小企業におけるデジタル化はなかなか進んでいないようです。その理由は2パターン考えられます。
1つは経営者がデジタル化について知らなかったり興味がなかったりするパターン、もう1つは興味があるし、必要性も理解しているけれど、何から手を付けてよいかわからないパターンです。
本記事では、後者のバックオフィスのデジタル化推進について何から手をつけていいのかわからない経営者の方に向けて、"バックオフィスのデジタル化がなぜ進まない"のか、"どこから手を付けるべきなのか"について企業のタイプ別に解説します。
バックオフィスのデジタル化における課題
■紙媒体の業務がなかなかデジタル化できない
バックオフィスの業務で最も高いハードルとなるのは"紙の書類のデジタル化"でしょう。なぜなら、紙の書類は社外とのやり取りに使う場合も多く、取引先にも関わってくるからです。
例えばバックオフィスがよく取り扱う書類に"請求書"があります。仮にデジタル化でテレワークを推進している企業でも、取引先から受領する請求書が紙媒体である場合があるのではないでしょうか。その場合、在宅勤務だったとしても、受領のために出社せざるを得ないですよね。実際、多くの経理担当者が請求書を処理するために出社していると耳にします。
いくらバックオフィスのデジタル化を推進していても、取引先から紙の請求書が送られてきたら現実的には受領せざるを得ないでしょう。中小企業がバックオフィスのデジタル化を進める際には、社外との書類のやり取りをどうするかが課題となります。
■リソースが限られている
中小企業のデジタル化が進まない大きな要因の一つは、IT投資をする余裕がないことです。それは資金面の話だけではなく、人的リソースやノウハウの蓄積の面も限られている中小企業が多く、デジタル推進の課題となるケースがあります。
特にIT人材は慢性的に不足している状態であり、経済産業省発表の『IT人材需給に関する調査』によると、 IT人材はこれまでの今後も不足していくことが予測されています。中小企業の場合は専門の情報システム部が無く、他の部署がITシステムの運用まで兼任しているケースが多いでしょう。
また、日本の企業の慣行としてITの開発や運用にはアウトソーシングの利用するのが主流であり、高度なIT人材がベンダー企業に集中している傾向があります。その結果、ユーザー企業でなかなかIT人材が育たないのです。
デジタル化はITの中でもかなり専門的なノウハウが必要で、中小企業が推進する際は人材の確保をどうするかが課題となるでしょう。