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韓国LG化学・LG電子、GMボルトのEVバッテリーリコールで1360億円負担

2021年10月13日(水)10時31分
韓国のLG化学のロゴ

韓国のLG化学とLG電子は、米ゼネラル・モーターズ(GM)の電気自動車(EV)「ボルト」のリコール(無償の回収・修理)にかかる予想費用の大半に当たる計12億ドルを負担する。2020年10月撮影(2021年 ロイター/Kim Hong-Ji)

韓国のLG化学とLG電子は、米ゼネラル・モーターズ(GM)の電気自動車(EV)「ボルト」のリコール(無償の回収・修理)にかかる予想費用の大半に当たる計12億ドルを負担する。

GMは8月、発火の恐れがあるとして、LG製バッテリーのリコール対象を14万台超に拡大。18億ドルと見積もった費用は20億ドルに膨らんだ。以前は9月20日にバッテリーの生産を再開し、10月中旬に交換を開始するとしていた。

今回の合意を踏まえ、GMは米国会計基準に基づいて第3・四半期にリコール関連費用20億ドルのうち19億ドルを計上すると公表した。GMは、LGがリコールにかかる費用を負担することに合意したという。最終的なリコール費用は、交換されるバッテリーの数量による。

LG化学の電池部門のLGエネルギーソリューション(LGES)は「リコールでは初期モデルのバッテリー用に製造したバッテリーパックとモジュールを全て交換するが、最近製造されたバッテリーモジュールについては診断ソフトウエアの検査の結果次第で交換する」とコメントした。

LG化学とLG電子は12日、費用関連の交渉が終了したと発表。両社は1兆4000億ウォンのコストの大半を7─9月期決算に計上しているが、一部は前四半期(4─6月期)に計上していた。

直近の四半期でLG化学は6200億ウォンの費用を計上する。一方、バッテリーモジュールやパックに電池を組み立てるLG電子は4800億ウォンを計上する。

LG化学とLG電子の株価の終値はそれぞれ4.2%、3.3%上昇した。リコール費用に関する不確実性が低減したことで投資家の間で安心感が出た。GM株は米国市場の立会時間前の取引で0.6%上昇した。

また、LGESはリコール費用への不透明感から8月に中断していた新規株式公開に向けた手続きを再開する計画を明らかにした。

[ロイター]


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