最新記事

韓国社会

文在寅の経済政策失敗で格差拡大 韓国「泥スプーン」組の絶望

2019年12月5日(木)19時36分

1カ月3万6千円でやりくり

このスキャンダルは文政権発足以来最大となる抗議行動を数次にわたって引き起こしたが、生活に苦しむ多くの若者にとっては、裕福な家庭の出身者が両親の地位と資産の助けを借り、さらに優位に立つという実態を暴露する結果となった。

9月、求人情報サービス企業のサラミンが3289人を対象に行った調査では、回答者の3分の2が、親の状況が子どもの成功にとって重要であると答えている。

やはり「コシウォン」の小部屋で暮らす26歳のキム・ジェフンさんは、「スタートラインが違うという点について文句を言うことはできない」と話す。

「だが、不正なやり方で支援を得ている人がいるというのは腹が立つ。私が働かなければいけないときに勉強している人がいるのは構わない。私が怒っているのは、彼らが不正な手助けを得ているからだ」

キムさんは学校の近くのバーでパートタイムのウェイターとして働いており、1ヶ月40万ウォンで家賃、食費、小遣いをまかなっている。

食事はたいてい共有のキッチンで作る「カップライス」、つまり米飯と卵、タマネギ半個分といった基本的なトッピングとソースだけの簡素な料理だ。

キムさんのような低所得層の有権者の「文政権離れ」は、過去に類を見ないペースで進んでいる。

韓国ギャラップが行った世論調査では、19~29歳の有権者による文政権支持率は、2017年6月の90%から今年10月には44%まで急落した。低所得層と見なされる有権者のあいだでの支持率は、2017年半ば以降、44ポイント低下している。

「文大統領は機会平等、公正な競争、正義について語ってきた。だが私は裏切られたように感じる。現在の状況は、彼が約束してきたものとは大きく異なっているからだ」と大統領選で文氏に投票したファンさんは言う。

文大統領が若年労働者のための雇用機会と社会正義の向上に努めるなかで、年長の労働者も危機感を抱いている。

先週テレビ中継された対話集会のなかで、文大統領は、これまでの公約が未達成であることを認め、若年層の支持率低下は、自分が若者たちを落胆させた証拠であると述べた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ和平協議、成果乏しく終了 「困難な交渉」

ワールド

焦点:ECB総裁後任、ノット氏・デコス氏有力 理事

ビジネス

アングル:ECB総裁の早期退任報道、市場は静観 政

ワールド

ロシア・キューバ外相会談、ラブロフ氏が米に海上封鎖
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポーランドが「核武装」に意欲、NATO諸国も米国の核の傘を信用できず
  • 2
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 3
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方...勝利のカギは「精密大量攻撃」に
  • 4
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 7
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 8
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 9
    アフガニスタンで「対中テロ」拡大...一帯一路が直面…
  • 10
    極超音速ミサイルが通常戦力化する世界では、グリー…
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中