最新記事
シリーズ日本再発見

炊飯器に保温機能は不要――異色の日本メーカーが辿り着いた結論

2017年02月10日(金)18時40分
安藤智彦

また、サイズも三合炊きに限定されている。今回「The Gohan」で採用した炊飯方式を実現するには、現段階ではこの大きさが限界なのだという。容量を大きくするために、味わいを犠牲にするという選択肢はバルミューダになかった。

japan170210-sub2.jpg

Photo: BALMUDA

「The Gohan」が取り入れている炊飯方式は、二層釜構造の水蒸気炊き方式。水を満たした外釜に、一般的な炊飯器と同様に米と水を入れた内釜をセットして炊くものだ。少しわかりにくいが、2つの釜をセットした状態で加熱することで、外釜から水蒸気が発生。炊飯器内部を蒸気で満たし、「蒸し炊き」を実現する。

この方法を採ることで、米の1粒1粒が煮崩れせず、粒立ちのしっかりしたご飯が炊けるという。実際に試食したが、確かにふっくらとした粒感を堪能できる炊きあがりになっていた。少し固めの仕上がりは好みが別れるかもしれないが。

製品発表後に始まった予約の受注は好調のようで、2月下旬の発売開始のタイミングで入手するのは難しそうだ。公式サイトでの購入は既に 1~2カ月待ちとなっている。

【参考記事】心躍るコンパクトなブレンダーで、「ヘルシー」を持ち歩く

かつて日本企業が得意としていた(はずの)商品開発力を引っさげ、家電市場にサプライズを仕掛け続けるバルミューダ。今秋登場予定の次なる商品は「コーヒーメーカー」か「電子レンジ」になるという。「バルミューダ家電」がどんなアプローチでこちらの予想を裏切ってくるのか、今から楽しみだ。

japan_banner500-8.jpg

japan_banner500-7.jpg

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米相互関税は世界に悪影響、交渉で一部解決も=ECB

ワールド

ミャンマー地震、死者2886人 内戦が救助の妨げに

ワールド

ロシアがウクライナに無人機攻撃、1人死亡 エネ施設

ワールド

中国軍が東シナ海で実弾射撃訓練、空母も参加 台湾に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中