コラム

首脳の給与明細

2011年01月24日(月)14時13分

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が今月、フェースブックに自分の給与明細をアップして話題になっている。経費などは当然、政府によって負担されているはずだが、月給は手取りで4200ドル(約35万円)だった。イスラエルでは現在、国会議員と政府高官などが給料アップを求めており、ネタニヤフは公表の理由を、「完全な透明性を示すことに決めた」と説明している。

 報道では、ネタニヤフは世界のリーダーたちに比べて薄給だという。では世界のリーダーたちはどれくらいの給料をもらっているのか。

 英エコノミスト誌などを参考に見ると、世界でもっとも給料をもらっているリーダーは、シンガポールのリー・シェンロン首相だ。その額は、218万ドル(約1億8000万円)。シンガポールでは、政府の汚職を防止するために公務員の給料は非常に高く設定されていて、首相の給料も高い。また「総選挙がある度に公務員の給料が増加する」と、知人のあるシンガポール人教師は言う。とにかく、これが一党独裁が続くシンガポールのやり方だ。

 アメリカのバラク・オバマ大統領が年収40万ドル(約3300万円)であることを考えると、リー首相の給料は半端なく高い。それ以外で高い順で見ると、フランスのニコラ・サルコジ大統領が約34万ドル(約2600万円)、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は約30万ドル(約2500万円)、イギリスのデービッド・キャメロン首相は約23万ドル(約1900万円)、ロシアのプーチン首相が約12万ドル(約1000万)となっているようだ。ちなみにアフガニスタンのハミド・カルザイ大統領が約6300ドル(約50万円)、インドのマンモハン・シン首相が約4100ドル(約34万円)ほど。インドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領は年収が約12万ドル(約1000万円)で、警察などの賃上げに関して行なった23日の記者会見で、「私の給料はここ6、7年上がっていない」と語った。

 国によって物価が違うので単純に順位を付けることはできない。ただシンガポールのリー首相が世界の政治指導者の中でもっとも高給取りであることと、イスラエルのネタニヤフ首相が給料を上げてほしいと切望していることだけは間違いない。

ーー編集部・山田敏弘

プロフィール

ニューズウィーク日本版編集部

ニューズウィーク日本版は1986年に創刊。世界情勢からビジネス、カルチャーまで、日本メディアにはないワールドワイドな視点でニュースを読み解きます。編集部ブログでは編集部員の声をお届けします。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英アーム、ライセンス収入が市場予想下回る 時間外取

ワールド

「関税はインフレ招く」の見解訂正、FRBは国民の信

ビジネス

米クアルコム、1─3月期見通しが予想下回る メモリ

ワールド

習氏、台湾問題は「最重要」 中国が大豆購入拡大とト
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 3
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流していた? 首相の辞任にも関与していた可能性も
  • 4
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 5
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 8
    アジアから消えるアメリカ...中国の威圧に沈黙し、同…
  • 9
    電気代が下がらない本当の理由――「窓と給湯器」で家…
  • 10
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story