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中国が日本に「都市化」を学ぼうとしているが、ちょっと待ってほしい
中国の格差は今でも絶望的なまでに大きいのに
そもそも、中国の都市政策は矛盾している。習近平政権では新型都市化を最重要課題として打ち出し、農村住民を都市に移住させようとしている。その一方で、北京や上海など超大型都市では「低端人口」(低レベル住民)の追い出しを図り、都市改造の名の下に貧困層が住む地域を取り壊し、住民を強制的に追い払っている。
本当に必要なのは、巨大都市を作り出す政策ではない。都市も農村もバランスよく発展させることが重要なのだ。
日本ですら都市と田舎には大きな格差があるが、中国の格差ははるかに大きい。新宿副都心が子供だましに見えるような超高層ビル街が全国各地に登場し、大都市中心部の威容はすでに世界一だ。
その一方で街から少し離れると、土ぼこりが舞う古臭い田舎がそのまま残されている。現時点でこれほどの地域格差があるのだ。今後、都市化を進めれば、ますます格差はかけ離れていくだろう。
先ほど都市化のメリットとして生産性の向上を挙げたが、実はもう1つ「メリット」がある。それは不動産市場の成長だ。古い建物を壊し、新しい都市を作る。この過程においては莫大な予算が必要となる。
だが巨大な予算があれば、必ず巨大な汚職が生まれる。それが中国だ。
絶望的なまでに都市と田舎の格差が開いた中国で、なぜこれ以上に格差を広げる都市化を推進しようとするのか。あるいは都市化がもたらす、汚職という豊穣な果実が中国の政治家を魅了しているのかもしれない。
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