コラム

大阪・関西万博に、巨大な「怪物」が上陸予定? 英国で大人気「シー・モンスター」とは

2022年10月29日(土)12時53分

221029kmr_esm06.jpg

シー・モンスターを見学に訪れたオリビア・ジューレイクさん(右から2人目、筆者撮影)

シー・モンスターを見て「史上最悪のガラクタ」と感じる人もいるだろうし、人類の近未来に想像を巡らす人もいるかもしれない。感じ方は人によっていろいろあっていい。しかし、産業革命以来、経済の成長を支えてきた石炭や石油など化石燃料はその役目を終えつつある。

オマホニー氏は「私たちには伝えたい3つの大きなストーリーがあった。一つは産業構造物を単に取り壊すのではなく、再生可能エネルギーについて再構築し、再利用できるような構造を探すということ。ここでは風力発電の始まりも見ることができる。次にアートやデザインが加わった時に再生可能エネルギーの未来はどうなるかということだ」と語る。

221029kmr_esm07.jpg

プロジェクトを手掛けたクリエイター、パトリック・オマホニー氏(筆者撮影)

「3つ目は英国の天候についてだ。英国人はいつも天気の話をしている。文化的アイデンティティーの一部だ」(オホマニー氏)。英国の天気は猫の目のように目まぐるしく変わる。突然、雨が降り出すことが多いため、1日はその日の天気予報を確認することから始まる。そして雨上がりの日、公園の芝生は輝くような緑の息吹を感じさせてくれる。

25年間、北海油田で使用されたリグはオランダで解体、洗浄され、海を輸送されてきた。7月中旬、ウェストン=スーパー=メアに到着、砂浜に板を敷き移動させた。木々を植えたワイルド・ガーデンや人口滝、太陽光の発電装置がインストールされ、9月下旬から公開され、連日4000~8000人の家族連れでにぎわっている。最大2時間待ちという人気だ。

海上輸送や組み立てのプロセス一つひとつが人類の歩みを思い起こさせてくれる。

スナク新英首相は予算準備に忙しく、COP27を欠席

国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)は11月6~18日、エジプトのシャルム・エル・シェイクで開催される。昨年、英北部グラスゴーで開かれたCOP26でリシ・スナク新首相は財務相として「ネットゼロ(温室効果ガス排出量を実質ゼロにすること)」に向け、公的資金の拡大、民間資金の動員、世界の金融システムの再構築を提案した。

英国の金融機関や上場企業に対し、2050年ネットゼロを実現するため、どのように脱炭素化していくのかを詳細に説明した移行計画を公表するよう求めた。国際金融都市ロンドンを史上初の「ネットゼロ金融センター」にするとも宣言した。欧州連合(EU)からの離脱で地盤沈下したロンドンを脱炭素化で再浮上させる意気込みを見せた。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場・午前=ダウ一時1000ドル高、史上初

ワールド

トランプ氏、人種差別的な動画投稿 オバマ夫妻をサル

ワールド

米・イラン核協議、交渉継続で合意 アラグチ外相「信

ワールド

米財務長官、強いドル政策再確認 次期FRB議長提訴
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 2
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入った「最強ライバル」の名前
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南…
  • 5
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    鉱物資源の安定供給を守るために必要なことは「中国…
  • 8
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 9
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 10
    「エプスタインは悪そのもの」「悪夢を見たほど」──…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 4
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 9
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story