韓国、新型肺炎の集団感染を起こした新興宗教「新天地イエス教会」の正体
聖書を教える「センター」で行われる7カ月間の勉強会に参加し、過程を修了した人が、試験(叙述式問題100問)を受け、合格すると正式に「新天地」の信者になり、布教活動に参加することになる。「新天地」の教理の完成度はそれほど高くないと言われているが、7カ月にわたる集中的な布教活動と勉強会により、自分も知らないうちに「新天地」の教理に少しずつ洗脳されてしまうそうだ。
さらに、「新天地」により普通の教会が丸ごと乗っ取られるケースも頻繁に発生している。乗っ取られた教会は「新天地」の教会として使われるか、教会の土地や建物を売却し資金源として使われる。あるいは、既成教会の登録を残したまま「偽装教会」として利用するケースもある。
キリスト教の教えである「愛」を考えるべき時
新型コロナウイルスの感染者急増により「新天地」のような新興宗教団体が韓国社会から警戒の対象になっている。新興宗教団体の信者数は韓国国内だけで200万人に達すると言われている。韓国で2015年時点に宗教を持つ人口は約2,155万人で全人口の43.9%を占めており、プロテスタント人口が968万人、カトリック人口が389万人であることを考慮すると新興宗教団体の信者数がかなり多いことがうかがえる。彼らの場合、自分が新興宗教団体の信者であることを隠しているため、今回の新型コロナウイルスのような非常事態が発生した際に、防疫当局が信者たちの所在地を把握することが難しく、対策に予想以上の時間がかかってしまう。
「新天地」は2月23日、ホームページなどで「新型コロナウイルスは、中国で始まり、韓国に移った病気だ。われわれは、最大の被害者であることを認識してほしい」とした上で「保健当局に最大限協力していく」という姿勢を表明した。しかしながら、防疫当局は、いまだに新天地大邱教会の信者を把握するのに大変な困難を強いられている。信者の所在が把握できず、対策が遅れた場合、国家的災難につながる恐れが高い。キリスト教の基本理念は愛なのに、組織や自分優先の行動は望ましくない。
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