英ＢＰ、再エネ向け投資縮小 石油・ガスは年100億ドルに増加

　２月２６日、英石油大手ＢＰは、利益の改善や投資家の信頼向上を狙って経営戦略を大幅に見直し、再生可能エネルギーへの投資計画を縮小する一方で石油・ガスへの投資を年１００億ドルに引き上げると発表した。写真はＢＰのロゴ。カナダのバンクーバーで２０２３年７月撮影（２０２５　ロイター／Chris Helgren）

Arunima Kumar

[２６日 ロイター] - 英石油大手ＢＰは２６日、利益の改善や投資家の信頼向上を狙って経営戦略を大幅に見直し、再生可能エネルギーへの投資計画を縮小する一方で石油・ガスへの投資を年１００億ドルに引き上げると発表した。

再生可能エネルギー事業への年間投資額は従来の計画から５０億ドル余り圧縮して１５億－２０億ドルとする。石油・ガスの生産は２０３０年の目標を日量２３０万－２５０万バレル（原油換算）とした。２０２４年の生産量は同２３６万バレル。

自社だけでなくサプライチェーン（供給網）上で排出される温暖化ガスを削減する「スコープ３」についても、２０１９－３０年にかけて２０－３０％削減するというこれまでの目標を撤回。炭素集約度（売上高当たりの二酸化炭素排出量）を同じ期間に最大１０％削減するとの目標を新たに設定した。

マレー・オーチンクロス最高経営責任者（ＣＥＯ）は計画発表後のロイターの電話取材に「大胆な路線変更だ」と述べた。再生可能エネルギーへの移行はウクライナ戦争、新型コロナウイルスのパンデミック、エネルギー市場の乱高下、一部の国における再生可能エネルギー政策の変更などによって、ＢＰが当初見込んだよりもペースが遅いと指摘。「その結果、化石燃料の需要は非常に強い状態が続いており、５年前の想定を上回っている」　と説明した。