安楽死法案に支持多数、議論は継続 英下院
英議会下院は29日、終末期患者の「安楽死」を認める法案に関する第1回採決を行い、賛成多数により可決した。同日撮影(2024年 ロイター/Mina Kim)
(見出しを修正して再送します)
Sarah Young Alistair Smout
[ロンドン 29日 ロイター] - 英議会下院は29日、終末期患者の「安楽死」を認める法案に関する第1回採決を行い、賛成多数により可決した。英国の世論を二分する緩和ケアの水準を巡る問題に関し、今後数カ月にわたり議論が続けられることになった。
下院での激論を経て、330人が賛成票を投じ、275人が反対した。
この法案では、医師から余命半年以下と診断されたイングランドとウェールズの精神的に健全な成人の末期患者は、医療の助けを借りて自らの命を絶つことを選ぶ権利が認められる。
賛成派は、この法案が末期患者の死期を巡って、患者本人により多くの裁量を与えるためのものだと主張。一方、反対派は、患者が家族や社会の重荷になることを恐れ、自ら命を絶つべきだと感じるかもしれないと懸念している。
法案可決を受けた今後数カ月にわたる議論で、法案の内容が変更される可能性がある。
この法案を提出した労働党のキム・レッドビーター議員は、さらに半年程度の時間を要するだろうと指摘した。
この法案を巡って英国で大きな議論を巻き起こしており、首相経験者や宗教指導者、医師、裁判官、障害者、閣僚らがこの件に関して意見を表明していた。
世論調査では、英国内の大多数が安楽死を支持している。レッドビーター氏は、法律がこうした世論に追いつく必要があると述べた。