トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル氏指名も
11月22日、トランプ次期大統領は、ロシア・ウクライナ戦争の早期終結に向け、特使のポストを新設し、リチャード・グレネル元国家情報長官代行(写真)の起用を検討している。ウィスコンシン州ミルウォーキーで7月撮影(2024年 ロイター/Brian Snyder)
Gram Slattery Humeyra Pamuk
[ワシントン 22日 ロイター] - トランプ次期大統領は、ロシア・ウクライナ戦争の早期終結に向け、特使のポストを新設し、リチャード・グレネル元国家情報長官代行の起用を検討している。政権移行計画に詳しい4人の関係者が明らかにした。
グレネル氏はトランプ政権一期目でドイツ大使や国家情報長官代行を務めた。
関係者によると、トランプ氏は最終的に特使ポストを新設しない可能性もあるものの、現段階では新設に傾いている。新設する場合も、最終的には別の人物をその役職に選ぶ可能性があるほか、グレネル氏がそれを受け入れる保証はない。
トランプ氏は選挙戦中にウクライナの紛争を速やかに終わらせるとしていたが、どのように終わらせるかは明言していない。
この問題についてグレネル氏の姿勢は、ウクライナ指導者たちを警戒させる可能性がある。
ブルームバーグが7月に行った円卓会議で、グレネル氏はロシアがウクライナ領土に侵攻して始まった紛争を解決する手段として「自治区」の創設を主張した。また、当面はウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟することには賛成しないと示唆したが、これは多くのトランプ氏関係者と共通の立場だ。
グレネル氏の支持者は、同氏は長い外交官としての経歴を持ち、欧州情勢に深い見識を持っていると指摘する。グレネル氏はドイツ大使のほか、セルビアとコソボの和平交渉の大統領特使も務めた。
グレネル氏は今回の大統領選でトランプ氏を支援し、国務長官の最有力候補だった。国務長官には共和党のルビオ上院議員に選ばれたが、グレネル氏周辺の一部は意外感と動揺を示したという。