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イスラエル首相「平和希求も存亡かけ戦う」、国連総会で演説

2024年09月28日(土)02時00分

イスラエルのネタニヤフ首相は27日、国連総会の演説で、自国の絶滅を望む「残忍な敵」と存亡をかけて戦っていると強調し、それでもイスラエルは平和を求めていると述べた。写真は9月27日、国連総会の演説を行うイスラエルのネタニヤフ首相(2024年 ロイター/Eduardo Munoz)

Michelle Nichols John Irish

[国連 27日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相は27日、国連総会の演説で、自国の絶滅を望む「残忍な敵」と存亡をかけて戦っていると強調し、それでもイスラエルは平和を求めていると述べた。イスラエルがイラン支援下にあるレバノンの武装組織ヒズボラ拠点への攻撃を続け、全面的な地域戦争に発展する恐れが高まる中、ネタニヤフ氏の演説は注目を集めていた。

演説の中でネタニヤフ氏は、この紛争の責任はイスラエルと長く対立関係にあるイランにあると指摘。イスラエルは7戦線でイランから自国を守っているとし、「イラン国内にイスラエルの手が届かない場所はない。それは中東全体にも当てはまる」とした。

ネタニヤフ氏は拍手喝采を浴びたが、イランを含む一部の代表団は退席した。

さらに、「この総会と、会議場の外の世界に向けて、私はもう一つメッセージがある。われわれは勝利している」とも発言した。

ネタニヤフ氏は、パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマス、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派との戦いを含む7つの戦線でイランから自国を防衛していると言及。

「ヒズボラが戦いの道を選ぶ限り、イスラエルには選択の余地はない。イスラエルにはこの脅威を取り除く権利がある」とし、数日中にレバノンでの停戦に関する協議を行うとしながらも、全ての目的が達成されるまでヒズボラに対する作戦を続けると表明した。

ガザ地区については、ハマスの戦闘員が降伏し、人質を解放すれば戦争は終結するとし、「イスラエルは完全な勝利を達成するまで戦う。これに代替するものはない」と述べた。

このほか、国際社会に対しイランの核計画に一段と厳しく対応するよう求め、イランの核兵器取得を阻止すると改めて表明した。

ネタニヤフ氏の演説について、イランの国連代表団からコメントは得られていない。

ハマス幹部サミ・アブ・ズフリ氏はロイターの取材に対し「ネタニヤフ首相の演説は虚偽と矛盾に満ちている」と非難。「問題は占領している側にある」とし、ハマスは降伏しないと述べた。

ロイター
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