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英1―3月失業率は3.7%、48年ぶり低水準 実質賃金は前年比大幅減

2022年05月17日(火)17時18分

英国立統計局(ONS)が17日発表した1─3月の失業率は3.7%と1974年以来の低水準を記録した。資料写真、ロンドン市内、2020年8月(2022年 ロイター/John Sibley)

[ロンドン 17日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が17日発表した1─3月の失業率は3.7%と1974年以来の低水準を記録した。一方ボーナスを除いた実質賃金は高インフレにより前年比で2013年以来の大幅な落ち込みとなった。

ロイター調査では、失業率は前期の3.9%から横ばいと予想されていた。

失業者は125万7000人と初めて求人数(129万5000人)を下回った。

ONSの経済統計担当幹部ダレン・モーガン氏は「建設業や金融業など一部の業種でボーナスが好調なため、平均すると給与総額は物価上昇率を上回る伸びが続いている」と説明した。

「しかし基礎となる通常の収入は実質ベースで大幅に減少している」と指摘した。

1─3月の賃金は前年同期比7.0%増と、エコノミスト予想の平均(5.4%)を大幅に上回った。一方、ボーナスを除くと4.2%増と、市場予想(4.1%増)をわずかに上回る水準にとどまった。

インフレ調整後の実質賃金(ボーナスを除く)は前年比2.0%減と、2013年7─9月以来の減少幅となった。

英産業連盟(CBI)の幹部は「3月は景気が鈍化したが、労働市場は引き続き過熱している」と指摘。

イングランド銀行(英中央銀行)は、賃金の伸びが通常の水準を上回れば、現在のエネルギー価格主導のインフレが定着するのではないかと懸念している。

3月の賃金は過去最大の9.9%増加。ただ、賃金の伸びは業種によってばらつきがある。

パンセオン・マクロエコノミクスのサミュエル・トゥームズ氏は、賃金の伸びが一様ではないため、中銀が利上げについて熟慮するだろうとの見方を示した。

ロイター
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